鶴翼の陣(かくよくのじん)
「鶴翼の陣」とは「大将を中央に据え兵力を左右に広く配置した守備的な合戦の陣形」です。いくら合戦・戦争といえども兵士が好き勝手に戦っていたら、あっという間に負けてしまいます。ですから、巧みな兵士配置や陣形取りが重要となり、それを決める大将の器によって勝負が決まると言っても過言ではありません。
鶴翼の陣の意味とは
「鶴翼の陣」の意味は以下の通りとなります。
(1)戦国時代の合戦における部隊配置の代表的な陣形の一つで、兵士を左右に「Vの字」のように広げたバランス重視な基本陣形で特に防御に優れている事から徳川家康や伊達政宗が好んで採用していた。
(2)古代中国の軍法から誕生した戦国時代の基本陣形の中でも守備的なタイプで、敵が突撃してくれば左右の両端が包囲するように迎え撃ちにする特徴を持つ。
”鶴翼”は「鶴の翼」「鶴が翼を広げたように兵を配置する陣形」という意味から、戦国時代に多くの大名が合戦で取り入れた左右から包囲する陣形が「鶴翼の陣」です。古代中国の兵法から編み出された「八陣」の中で最も基本的な陣形とされ、攻め込んできた敵兵を左右の翼の当たる部分で包囲するように攻撃をするのでバランスが良く、また防御力にも優れている事から徳川家康や伊達政宗が好んで使っていたと言われています。しかし、この配置は相手よりも兵力が上回っている時に効果的とされ、同程度の場合は包囲が上手くいかない欠点もあります。また、最近ではウクライナへ軍事侵攻をしているロシア軍が「鶴翼の陣」を取り入れたが、逆に弱点である集中攻撃をされて窮地に陥ったそうです。古代中国の八陣には「長蛇の陣」「偃月の陣」「鋒矢の陣」「魚鱗の陣」「雁行の陣」「方円の陣」「衡軛の陣」があり、それぞれ得意とする大名が合戦の際に用いていました。
鶴翼の陣の由来
「鶴翼の陣」の由来は古代中国・春秋時代の思想家・孫氏や三国時代の大臣・諸葛孔明らが唱えた兵法からです。それを平安時代の公卿・大江維時が学び、戦国時代で有名大名らが陣形として取り入れました。
鶴翼の陣の文章・例文
例文1.鶴翼の陣によって、徳川家康が敵軍を倒して勝利を収めた。
例文2.戦国時代マニアは鶴翼の陣などの陣形分析にも躍起になっている。
例文3.渋谷スクランブル交差点を上から見下ろすと、まるで鶴翼の陣や横陣の形となった庶民が今にも戦に挑むように見えなくもない。
例文4.八陣の中で実際の合戦では鶴翼の陣や魚鱗の陣が好まれていたそうだ。
例文5.現代人は体力がないので、鶴翼の陣の兵士になってもきっと役立たずだろう。
「鶴翼の陣」を使った例文となります。
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鶴翼の陣の会話例
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やっぱ戦国時代は熱いわー。大名一人ひとりの生きざまを調べるだけでも面白くて、時間が足りなくなる。
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好きな大名は誰なんですか?
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それは有名な織田信長や武田信玄が好きだけど、最近は合戦の陣形にも興味が出てきて。
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陣形って、鶴翼の陣とかですよね。そんな事まで分析したら、時代劇や合戦マニアの域じゃないですか。
戦国時代マニアとその知人の会話内容です。
鶴翼の陣の類義語
「鶴翼の陣」の類義語には「隊形」「配置」「陣構え」「陣立て」「布陣」「フォーメーション」「魚鱗の陣」などの言葉が挙げられます。
鶴翼の陣の対義語
「鶴翼の陣」の対義語は陣形的には「偃月の陣」「長蛇の陣」などになります。
鶴翼の陣まとめ
自軍の兵士を鶴の翼のように左右に広く配置した陣形が「鶴翼の陣」です。守備的な戦術陣形の代表として多くの大名に好まれ、「魚鱗の陣」と合わせて最も有名な陣形の一つとなっています。