麒麟児(きりんじ)
最近はあまり使われないので、「麒麟児」と言われてもピンと来ないものです。初めて聞いたら、人気ラーメン店や動物のキリンとも思いますし、元力士や野生児的な意味合いの言葉とも連想できます。それぐらいどんな言葉なのか考えてしまいますが、果たして正しい意味合いは何なのか調べてみました。
麒麟児の意味とは
「麒麟児」の意味は以下の通りとなります。
(1)将来大物になると期待される少年。才能溢れる少年。神童。
(2)将来大成する可能性秘める少年や若者。才能や技芸が優れ将来性がある若者の事。
”麒麟”は「首と足が長い哺乳類の動物」「想像上の動物」、そして「才能溢れる者」という意味があります。ですから、「子供」や「若い者」を意味する”児”を合わせた「麒麟児」は、上記の様な意味合いとなります。よくある使い方としては、地名やツポーツを合わせて「○○の麒麟児」といった風になります。一方最近では、NHKの大河ドラマのタイトルが「麒麟がくる」となり注目を集めました。この作品は戦国時代という設定なので、動物の”麒麟”を平和のシンボルとして引っ掛け、乱世の世界が終わる様に、「平和がくる」を「麒麟がくる」としたようです。しかし、古代中国では平和という扱いはされておらず、代わりに、聖人が出現する前兆に現われるのが麒麟と伝えられています。
麒麟児の由来
「麒麟児」の由来は、動物の麒麟と子供を合わせたものですが、それ以外の詳しい点は分かっていません。文献としては、江戸時代後期の漢詩集「水流雲在楼集」(1854年)に文言が記されています。
麒麟児の文章・例文
例文1.子供の頃は麒麟児や神童と持て囃されたが、結局は唯の大人になってしまい、それどころか凡人以下の有様だ。
例文2.幼稚園児ながら掛け算を覚えた我が子は麒麟児ではないかと、親バカながら思えてならない。
例文3.サッカーや野球で活躍するプロ選手は、元麒麟児の集まりみたいなものだ。
例文4.あのまま水泳を続けていたら麒麟児として将来を約束されたのにと、お酒を口にする度にぼやいてしまう。
例文5.日本の子供は塾や習い事を他の欧米各国よりも積極的にしている印象だが、麒麟児として将来活躍するまでは至らないのは何かしらの要因があるとしか思えない。
「麒麟児」を肯定や否定として使った例文となります。
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麒麟児の会話例
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ところで子供の頃って、どんな子だったの?
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私は、塾や水泳にピアノって習い事ばかりで、毎日嫌だったなー。もっと友達と遊びたかった。
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そうなんだ。ずいぶん忙しい子供だったね。
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ピアノは少し腕が良かったみたいで、麒麟児や神童って周囲は呼んでくれたけど、結局は挫折して今では普通の会社員。
職場の同僚男女が、子供の頃について会話をしています。女性はピアノの才能があって、「麒麟児」と呼ばれていました。
麒麟児の類義語
「麒麟児」の類義語には、「寵児」「期待の星」「ダイヤの原石」「新星」などの言葉が挙げられます。
麒麟児まとめ
「麒麟児」とは、才能豊かで将来大物や成功する期待を抱かせる少年や若者の事です。”麒麟”は首が長い動物ですが、同時に才能溢れる者という意味もあり、そこから「麒麟児」は神童や寵児などの言葉と同じ扱いで使われています。