黄昏(たそがれ)
「黄昏」とは「夕方の薄暗い時から、人生の盛りが過ぎ晩年に向かう喩え」です。現代的なネットスラングで言えば「オワコン化」などは「黄昏」に限りなく近いのかも知れませんね。それに現在は若さのピークであるZ世代などからすると、30代や40代のおじさんおばさんも「黄昏」であり「オワコン化」な「終わっている存在」なのでしょう。しかし、人生とは昼間の若く輝かしい時間はあっという間で残りの大半は「黄昏」であり「晩年」を静かに続けていくしかないのです。
黄昏の意味とは
「黄昏」の意味は以下の通りとなります。
(1)日の暮れな頃。夕闇が迫る。夕暮れ。夕方の薄暗い時。
(2)日没直後の雲のない西の空に夕焼けが少し残る状態やその時間帯。
(3)1日の夕暮れが迫る事から、転じて、人生の盛りが過ぎて衰えていく喩え表現。
「黄昏」は空の状態や夕方の時間帯、そして人生に喩えた表現として使われるのが一般的です。しかし、通常は夕方の空を見て「黄昏」とするよりも素直に「夕方」や「夕暮れ」とする方が多いので、人生において若い時が過ぎてしまい終盤に入ったとする感情を表していると理解できます。要するに悲しみ・寂しさ・侘しさ・衰え・老いといったニュアンスからの「黄昏」であり、若い世代なら明日への希望や期待として1日の終わりを迎えるのに対し、中年・高齢世代になるとそんな気持ちよりもただ1日が過ぎてしまったという心から、夕暮れはどこか胸が潰されそうになるのです。人生の終わりが遂に見え始め太陽が輝く真昼間には戻れず、徐々に漆黒な暗闇が迫ると物思いに耽てしまうのが人というものです。
黄昏の由来
「黄昏」の由来は一説によると、夕方で薄暗くなると相手の顔を判別するのが難しくなる状態を「誰そ彼」(たそかれ)と言っていたのが時代変化で「たそがれ」となり、そこから漢字では「黄昏」になったようです。文献としては平安時代の軍記物語「将門記」などに文言が記されています。
黄昏の文章・例文
例文1.黄昏時になると、こうしてまた権力者やSNSでイキるだけが生き甲斐な愚かな連中が老けていくと思うと心底可笑しくなって、無意味な1日が過ぎるのも悪くないと思える。
例文2.人生の黄昏を迎えたが、だからといって落ち込んでいないし気持ちは前向きだ。
例文3.青年期から黄昏もとうに過ぎても、某大企業の没落だけを夢見てせっせと動画投稿しては信者向けの誇張情報を垂れ流し続けコンサル気取りでいられる神経は並大抵ではないが、正直誰も興味なければ相手にもしないのに当人だけは世の役に立っていると満足している裸の王様だ。
例文4.昔はスマホなどを持っておらず腕時計もなかったので、黄昏になると子供たちは自然と家路を急いで帰っていった。
例文5.感傷的な気持ちから海辺に座り黄昏る空を見ながら、自分の人生はそんなに悪くなくまあまあだと納得させた。
「黄昏」を使った例文となります。
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黄昏の会話例
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休日何してるかって? 午前中はまだ寝ていて午後はジムに行ってから買い物や家事をこなし、そして夕方になるとベランダの椅子に座り寛ぎながら酒を飲み、ボーっとしているかな。
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それって典型的な独身者の姿じゃないですか?
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そうなんだけど、夕焼けが老いと抗う自分自身にシンクロして黄昏るんだよ。
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黄昏ですか…。まあ確かに夕焼けには寂しさがあるのは分かりますけど、それを休日いつもやっていると思うと…、子育て中の私には理解が…。
職場での独身男性と後輩の既婚女性の会話内容です。
黄昏の類義語
「黄昏」の類義語には「日暮れ」「夕暮れ時」「夕刻」「日の入り」「夕闇」「トワイライト」「老後」「晩年」「老年期」「熟年」「先が短い」などの言葉が挙げられます。
黄昏の対義語
「黄昏」の対義語には「暁」「かたわれ」「朝方」「朝のうち」「夜明け」「東雲」「青春」「若年」「青少年」「先が長い」などの言葉が挙げられます。
黄昏まとめ
夕方や夕暮れであり、それが転じて人生の晩年を迎えた喩えとなるのが「黄昏」です。どこか物思いに沈むような憂鬱さもありますが、老いたから必ずしも辛く悲しい訳ではなく、現在は人生100年時代と言われるように「黄昏」も一つの通過点に過ぎないのかも知れません。しかし、イメージとしてどこか悲しさや侘しさがあり、大勢がそのように捉えているのもまた事実です。