黙食(もくしょく)
「黙食」とは「コロナ禍で定着した感染予防から無言や極力会話を控える日本独自の食事スタイル」です。飲み会やランチなどはかつては無駄口を叩き合う絶好の機会でしたが、残念ながらコロナが流行してからは感染対策の観点から危険とされ、今ではかつての懐かしい食事スタイルとなっています。もちろん、各家庭や一部の居酒屋や飲食店ではガヤガヤと楽しく賑わいを持っている所もありますが、それでも圧倒的に少なくなったのが現状で、特に学校給食やお酒を出さない店は黙って静かに食べるのが完全に定着をしています。それでは令和ならではの寂しい食事マナー「黙食」の解説となります。
黙食の意味とは
「黙食」の意味は以下の通りとなります。
(1)誰とも会話をせず無言で食事を済ます事。
(2)コロナの感染予防として日本独自の食事方法で、極力会話を控えて黙って食事をする事。
(3)「もくじき」とも読む。
”黙”は「だまる」「声や言葉を出さない」、”食”は「食事」「食べる」「食べ物」で、黙って食事をするのが「黙食」です。コロナ感染予防として注目を集めた言葉ですが、実はその歴史は大変古く鎌倉時代に仏教の曹洞宗が食事なども修行の一つとして、私語を禁止したのが始まりとされています。その後は教育現場などで集中を要する際に「黙る姿勢」が行儀や礼儀となりましたが、大人になると食事や飲み会は日頃のストレスを発散させる絶好の無駄話を堂々と出来る機会となったのです。しかし、2020年1月頃から広まった未曽有のコロナ騒動によってマスク着用やアルコール消毒に三密回避など様々な対策が取られ、そんな一つに今回の「黙食」もあるのです。「黙食」は2021年初旬頃から地方の飲食店が感染予防として独自に始め次第に全国各地へ広まっていきました。当初はお客が激減した飲食店の苦肉の策という感じでしたが、それが給食を食べる学校現場や各家庭の食事などでもキーワードのように浸透し、遂には厚生労働省や各自治体もポスターやネットなどで「黙食」を積極的に促すようになったのです。さらに発展させた、食事以外でも複数人が集まれば極力会話をしないようにする「黙活」(もくかつ)も人々から支持され、外出時のマスク着用などのようにマナーや常識となっていきました。
黙食の由来
「黙食」の由来は前記したように鎌倉時代の仏教・曹洞宗が始まりとされます。禅僧・道元は仏門に入ったら日常生活は全て修行として、食事やトイレや風呂なども私語を禁止にしました。また、コロナ禍としての「黙食」は福岡市の飲食店経営者(カレー店・マサラキッチン)がSNSに投稿したツイートが大勢から賛同を得て、世の中に拡散されたと言われています。
黙食の文章・例文
例文1.同居していた両親が亡くなり、それから暫くは一人寂しい黙食の日々が続いたが、ある日ペットショップで出会ったインコに一目惚れして購入してからは毎日が楽しくなった。
例文2.昼休憩で職場近くに新しくできた喫茶店に行ってみたら、こちらが黙食をしているのに、マスターはコロナ禍でオープンして余程嬉しかったのか終始鼻マスクで、やって来る知り合いの客と延々に話し続け、肝心の食事は不味いという面白すぎる店だった。
例文3.国民に黙食をお願いするのもいいが、間抜けな献金パーティーで喜びを爆発させる議員連中を黙らせてもらいたいものだ。
例文4.いつか高級レストランでお客が黙食をしているその瞬間、大きなゲップをして出入り禁止になってやると想像を膨らませる。
例文5.ワクチンを2回3回と打ち続け、どの国民よりもマスク着用に喜びを覚え、さらには黙食を実行しても厚生労働省が杜撰に管理すれば患者数などは適当に変動するのに、神からの教えのようにニュースだけを完全に信じ切ってしまう。
コロナ禍での黙って食事をする「黙食」についての例文となります。
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黙食の会話例
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子供が言っていたけど、今日から学校で黙食が始まったんだってね。
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おかしいわよね。コロナになってから給食はずっと黙って食事をしているのに、今更名前だけ新しくつけても仕方がないじゃないの。
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まあ学校も上から命令されたら、そう従うしかないから仕方がないんだよ。ずっと黙食をしてきたけど、改めて今後も徹底しますって事だろう。
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行政も学校もコロナ対策はバッチリやっていますってアピールしたい事ね。何か問題が起きた時に言い逃れをする為の。
子供を小学校に通わせる夫婦の会話となります。
黙食の類義語
「黙食」の類義語には、「マスク会食」「個食」「黙活」などの言葉が挙げられます。
黙食の対義語
「黙食」の対義語はありません。”黙(る)”の対義語は「喋る」「話す」「声を出す」、”食(事)”は「運動」「排泄」「スポーツ」などの言葉が挙げられます。
黙食まとめ
「黙食」はコロナ禍社会となって注目を集めるようになった言葉で、感染予防として食事中は会話をしないで静かにする作法です。「マスク会食」などと共に今では常識となりつつある新しい食事スタイルとして、2021年新語流行語大賞を受賞するほど世間に広く浸透しました。