鼠窃狗盗(そせつくとう)
中国発祥と推測できる四字熟語の中には、あまりにも読み方が難しく頭を抱えてしまうのも多くありますよね。その中には「鼠窃狗盗」も含まれると思いますが、どうでしょうか? この言葉は”盗”が含まれる事から”泥棒”に対して使うのですが、より詳しい意味や由来などを解説させて頂きます。
鼠窃狗盗の意味とは
「鼠窃狗盗」の意味は以下の通りとなります。
(1)こそ泥、小者な泥棒、僅かな物を盗む泥棒など。泥棒の異称。
(2)「鼠窃」は鼠のように隠れて物を盗むやこそ泥という意味で、「狗盗」は犬のように物を盗む、こそ泥という意味。
「鼠窃狗盗」は泥棒に対して使う四字熟語ですが、鼠や犬(狗)が使われる事から『こそ泥』に使用するのが一般的です。銀行強盗や高価な宝石を襲うのではなく、万引きや小額の窃盗などの泥棒といった感じでしょうか。また、追剥や草賊とも同じような意味として使用されます。
鼠窃狗盗の由来
古代中国の歴史書「史記」の「叔孫通伝」に記された「鼠窃狗盗」を使った漢文が由来となります。「叔孫通伝」は、儒教国教化の基礎を作った儒者・叔孫通による伝えです。
鼠窃狗盗の文章・例文
例文1.旅先で鼠窃狗盗を繰り返していた公務員が逮捕された。
例文2.子供が友人の家からおもちゃを黙って持ってきてしまい、これが切っ掛けで鼠窃狗盗になり将来は悪人になるのではと不安が過り、きちんと注意した。
例文3.軽い気持ちで万引きをしてしまい、鼠窃狗盗になってしまうと自責の念にかられた。
例文4.昔は有名な泥棒に対して、鼠窃狗盗と呼ぶ事もあった。
例文5.近所で何軒も鼠窃狗盗による被害に遭い、我が家は急遽、防犯カメラを玄関や庭先に設置した。
「鼠窃狗盗」は泥棒の事なので、防犯や逮捕、戒めとしての例文です。
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鼠窃狗盗の会話例
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やっと平成の大泥棒が逮捕されたね。
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昨日のニュースでやっていたね。番組によっては鼠窃狗盗とも呼ばれていたよ。
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有名な泥棒だけど、こそ泥のような手口で大金を狙わず小遣い程度の盗みを繰り返していたからでしょう。
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少ない金額だから、被害者も警察に届けるのが面倒だと思うもんね。そこが鼠窃狗盗たる所以だね。
「鼠窃狗盗」と呼ばれた泥棒が逮捕されたという会話です。
鼠窃狗盗の類義語
「鼠窃狗盗」の類義語には、「猫鼠同眠」「城狐社鼠」「盗人の昼寝」などの言葉が挙げられます。
鼠窃狗盗まとめ
「鼠窃狗盗」とは、僅かな物を盗むという意味でこそ泥と解釈できます。中国の歴史書「史記」が発祥となる四字熟語で、鼠や犬(狗)のように人目を避けて小物を盗む事から付けられました。