A級戦犯(エーきゅうせんぱん)
「A級戦犯」と聞くと、第二次世界大戦を連想しますよね? 同時に、それ以上は深く分からない。また、関わってはいけないという扱いがデリケートな言葉となっています。政治家が靖国神社に参拝するだけで諸外国から問題視されるのですから、戦後世代の人々にとっては過去の遺物的な捉え方がされているのも事実です。しかし、「A級戦犯」は安倍総理や橋下徹氏、百田尚樹氏など保守的な立場を表明する方が度々間接的にしろ話題を提供しますし、スポーツなどで日本代表や応援チームが負けた時の原因選手を「A級戦犯」と呼び、罵倒する事もあります。そんな複雑でデリケートな側面を持つ「A級戦犯」の解説となります。
A級戦犯の意味とは
「A級戦犯」の意味は以下の通りとなります。
(1)日本が第二次世界大戦後、アメリカを中心とした連合国が訴追した重要戦争犯罪人100人以上の中でも、極東国際軍事裁判で起訴された政治家や指導者など28人を指す。
(2)日本も含めた外国では戦争犯罪人の略称で、侵略戦争を導いた政府や軍関係者など。
(3)日本の重要戦争犯罪人で、東條英機・荒木貞夫・板垣征四郎・松岡洋右など28人。
(4)スポーツの敗退原因となったプレー、トラブルなどの要因となった特定個人を批判する言葉。
「A級戦犯」は日本だけで使われる戦争犯罪人の略称と誤解をされますが、実際にはアメリカやイギリスによる連合国が作り上げた、語弊がありますが制度であり戦争首謀者を明確にするものとなります。日本の場合は、第二次世界大戦で日中戦争やアメリカの真珠湾攻撃を導いた東條英機・荒木貞夫・板垣征四郎・松岡洋右など28人を指し、ドイツの場合はナチスの有力指導者などが「A級戦犯」となったが、ドイツ国内では”主要戦争犯罪人”や”戦争犯罪人”と呼ばれ、”A級戦犯”とは扱ってなっていません。これは国々の温度差、歴史認識として呼び方の違いに現れています。1946年5月に、アメリカを中心に開かれた極東国際軍事裁判(別表記:東京裁判)で、東條英機ら28人が「A級戦犯」として起訴され、絞首刑など判決が言い渡された。
A級戦犯の由来
「A級戦犯」は、第二次世界大戦で勝利したアメリカなど連合国が、敗戦した日本やドイツの政府や軍関係者を戦争犯罪人と断罪する為の略称です。しかし、先ほども触れましたが日本ではすっかり定着していますが、同じく敗戦国のドイツではほぼ使われていませんし、それ以外の国々でも認知されていません。その背景に、東京裁判では「イ級戦犯」「ロ級戦犯」とイロハによる分類だったのが、アルファベットが用いられ現在の「A級戦犯」や「B級戦犯」に変わってしまったからです。日本がアメリカ側に配慮し、アルファベット表記にしたとされますが、真相は不明です。
A級戦犯の文章・例文
例文1.A級戦犯と呼ぶ事に、複雑な思いを寄せる日本人も根強く多い。
例文2.A級戦犯の遺骨問題も浮上している。
例文3.靖国神社にはA級戦犯が合祀されているので、中韓が嫌悪感を示す。
例文4.A級戦犯の下には、B級戦犯やC級戦犯もあるが、あまり知られていない。
例文5.もし、日本が戦争で勝っていたらA級戦犯は誰もいなかったのだ。
「A級戦犯」に対する例文はデリケートなので、ネット上でも説明する例文などが多いです。また、誹謗中傷など文句を言う際にも、様々な文章で見掛けられます。
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A級戦犯の会話例
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今の日本は平和だから、ある意味で冷静に東條英機らA級戦犯を見られるけど、戦後直後は納得いかなかった人が大勢いたでしょうね。
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そうだろうね。複雑な思いだよね。だから、東條英機を題材にしたドラマが定期的に作られるんだろうね。
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あれは表向きは、戦争反対で東條英機が裁判で極刑となるのを容認しているけど、実は真逆のメッセージがあると思うよ。
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それは裏読みしすぎじゃない。でも、戦争で負けた方だけA級戦犯というのは、ちょっとおかしいよね。
「A級戦犯」の中心である東條英機についての会話内容です。
A級戦犯の類義語
「A級戦犯」の類義語には、「B級戦犯」「罪人」などの言葉が挙げられます。
A級戦犯まとめ
「A級戦犯」は敗戦国である日本が、本来の平和や民主化を手に入れるには避けては通れず、アメリカなど連合国の決めた事を全て鵜呑みにするしかありませんでした。圧倒的な連合国側の思惑通りに進む東京裁判で、東條英機ら28人が「A級戦犯」となりその内の7人が絞首刑、他も終身刑など重い判決が言い渡されました。