drip(ドリップ)
「drip」とは「アメリカの若者が好んで使うヒップホップ発のスラングで、宝石・ファッションセンスが良い・オシャレ等々といった意味」です。英語の本場であるアメリカ人やイギリス人のそれもスラングを日本人が正確に理解するのはかなり難しく、これは逆も然りでZ世代が好んで使うトレンド用語をアメリカ在住のコテコテ中流白人にニュアンスまで理解してもらうのは至難の業です。今回の「drip」は派手な宝石や高級宝石やファッションセンスが良いといった意味合いですが、実際のところは「スゲー」「ヤバイ」の方がしっくりくるのかも知れません。
dripの意味とは
「drip」の意味は以下の通りとなります。
(1)本来は直訳の「滴」「滴る」という意味だが、「宝石」を意味する「ジュエリー」に代わって「高価なジュエリーを身に着ける」「高級ジュエリーを取り入れたファッション」といった英語スラング。
(2)アメリカのヒップホップ文化から誕生したスラングで、「高級や派手な宝石を身に着けたオシャレファッション」や「宝石を身にまとう自分は最高」といったニュアンスになる。
(3)オシャレ、素敵、格好がいい、ファッションセンスが良い的な意味合いの褒め言葉となるアメリカなどの若者が好んで使う英語スラング。
”drip”は直訳すると「(水などが)滴る」「滴を垂らす」となりますが、アメリカのヒップホップスターなどが首元や指などに派手な宝石を着けるのを、近年はスラングで「drip」と言います。スラングなので明確な意味というよりは幅広い解釈が可能となり、ラッパーなどが豪華・高級・ハイブランドの宝石を首元・指輪・手首などにしている姿が「drip」です。そこから「豪華な宝石」「豪華な宝石を着けた成功者」「俺は金持ち」といったニュアンスとなり、さらには一般人は単純に「オシャレ」として「drip」となったりします。ですから、変化の流れとしては「滴」→「派手な宝石」→「金持ち」「成功者」→「ファッションのオシャレ」といった感じで、ヒップホップ界隈なら「オシャレな宝石」「高価な宝石が最高」、一般人は「オシャレな宝石」から「オシャレ」「センスが良い」といった感じではないでしょうか。因みに欧米の女子高生達の間では、クールやセクシーなファッションが「drip」となります。
dripの由来
「drip」の由来として、2020年頃からアメリカの人気ヒップホップアーティストやヒップホップスターが発表する楽曲などで宝石類をスラングとして「water(水)」や「ice(氷)」や「drip(滴)」と表現するようになったのが始まりとされています。諸説ありますが、宝石類が光などで反射するのを水・氷・滴のようだと例え出したのです。それを他のヒップホップアーティストも真似をすると一気に広まって、今では宝石以外でもファッションが良いやセンスが良い場合でも使われるスラングです。
dripの文章・例文
例文1.中学生ラッパーが登校途中に信号待ちをしている派手なイタリア製スポーツカーを発見して、興奮からdripと運転手に告げていたがどうやら不審者だと思われたようだ。
例文2.ヒップホップも所詮はイキっても大量消費されるだけの音楽の一部で、だからこそ当事者は必死になってdripなどの言葉を仲間同士で矢継ぎ早に生み出しては使い合っているのだろう。
例文3.田舎から上京してきた大学生ほど渋谷あたりのクラブに過剰なほど憧れ、意気投合した客と互いのファッションをdripと褒め称えては連帯感を抱くが、朝方になると泥酔からの疲れや緊張が解けて誰もが方言丸出しで実家の母親を思い出しては、学業に専念しないで遊んでいる姿に反省から憂鬱になる。
例文4.筋トレを張り切ったり、ブランド物を身に纏ったり、全身タトゥーを入れるなどどれだけ張り切って本場のdripを目指しても、所詮我々はアジア極東の平べったい顔の民族なのだから、大人しく部屋でアニメでも観て寝入っている方が精神的に楽なのは疑いようがない。
例文5.SNSの世界はどいつもgood・drip・coolといった反応が欲しくて堪らない承認欲求の塊がわんさか溢れ、否定されればブロックするかラッパーのように拳銃を撃つ気まんまんの攻撃態勢に入る。
「drip」を使った例文となります。
- [adsmiddle_left]
- [adsmiddle_right]
dripの会話例
-
ネットでオシャレな指輪を発見したんだよ。お揃いのものを買わない?
-
派手な見た目がdripでいいわね! よし買おう! ところでこの指輪はいくらするの?
-
何と驚きの1つ300円。だから2つで600円。海外サイトだから破格の値段だねー。
-
ちょっと怪しくない…。えっ、それも送料込みなの。やばいわー。
激安な指輪を発見して購入しようとする恋人同士の会話です。
dripの類義語
「drip」の類義語にはスラングとして「on point」「sauce」「swag」などの言葉が挙げられます。
dripの対義語
「drip」の対義語にはスラングとして「bad taste」「wack」「lame」「dumb」などの言葉が挙げられます。
dripまとめ
ヒップホップアーティストの宝石からファッション用語のオシャレ的な意味合いとなる英語スラングが「drip」です。元々は滴・滴るという意味の「drip」ですが、それをヒップホップアーティストが宝石として、さらには派手な宝石を身に着けたファッション、最終的にはセンスが高いやオシャレといった意味を持つスラングとなっています。