天地無用(天地無用)
宅配便が届いて箱を見ると、「天地無用」というシールが貼ってあることはありませんか?特に中身はガラス製品であったり、機械製品であったりと、繊細な荷物であることが多いです。そんな繊細な製品を守るためにある言葉なのですが、「天地」が「無用」なら上下逆さま関係がないという意味なのではないかと、思ってしまったことはありませんか?
今回はそんな「天地無用」について解説したいと思います。
天地無用の意味
天地無用は本来、「逆さまにしてはならない」という意味で用いられます。宅配便に書いてあったならば、中の荷物が逆さまにしてはいけないものなので、運搬の際に気をつけるよう注意している言葉です。
現在では多く宅配便等で使用されたり、矢印とともに使用されよりわかりやすい形で表現がされています。また「天地無用」の用語自体の使用禁止制度はありません。天地無用を印刷した商品等は規制がされていないため、自身でシール等を購入し配達物に使用したり、直接「天地無用」と配達物に記載することも可能です。
天地無用の由来
もともと運送業者の業界用語として、「天地入替無用(てんちいれかえむよう)」「天地顛倒無用(てんちてんとうむよう)」という「上下を入れ替えることが無用」という分で使用していたものでした。しかし、わかりやすく短い四字熟語の形を取るために、「天地無用」と略された形になり、それが普及したようです。
しかし冒頭で説明した通り、「天地が無用」「逆さまにしても良い」という間違えた意味に捉えられてしまうことがあるため、使用を廃止した業者も多くあります。
天地無用の文章・例文
例文1.宅配便に天地無用のシールを自分で貼り付ける。
例文2.その荷物は天地無用なので、気をつけてください。
例文3.新しい天地無用シールを製作する。
例文4.天地無用と書いてあるにも関わらず、上下が逆になって届けられたので驚いた。
例文5.天地無用なのはこの二つで、あとは潰れなければ問題がない。
- [adsmiddle_left]
- [adsmiddle_right]
天地無用の会話例
-
このダンボールすごく重い!手が痛いから一回下ろしてもいい?
-
もちろんよ。
ただ天地無用だから、横にはしないように下ろしてね。 -
これ、何が入ってるんだい?
-
今度私のオフィスにおくデスクトップパソコンなのよ。
天地無用の類義語
「天地無用」の類義語は、運送用語で運搬の際に注意を促す言葉として、「取扱注意」や「特記事項」などが挙げられます。
天地無用まとめ
文化庁のアンケートで「天地無用」の意味を問われた際、約三割の人が「上下逆さまにしても良いという意味だと思う」と答えました。やはり由来の間の文字がなくなっているせいで言葉の意味が伝わりづらくなっているのかもしれません。
そのため、現在では天地無用の言葉とともに、「この面を上に」や「 ↑UP」などの表記をつけ、より分かりやすくする対策が取られているようです。