自炊(じすい)
皆さんは「自炊」という言葉からどのような様子をイメージしますか?一般的には、自分で調理して食事を用意する事を指す言葉ですが、実はもう一つ全く別の意味があることはご存知でしょうか。まだまだ知らない人も多いもう一つの意味や、本来の意味、またそれぞれの由来や類義語などを合わせて紹介していきます。
自炊の意味とは
自炊には全く異なる二つの意味があり、それぞれ以下の1,2のような行為を指します。
1.(毎日の)食事を自分で作ること。
2. 手持ちの書籍や雑誌を裁断・解体し、イメージスキャナ等を使ってデジタルデータに変換する行為を指す俗語。
上記の1の場合、他人が用意してくれた物を食べることも、他人のために用意することも自炊とは言えず、あくまで自らが食べるものを調理して用意することを言います。また2の場合は、デジタル化の効率化のために書籍や雑誌を裁断機やホットプレート・アイロン等で分解する行為までを含み、これは一般的には自分の所有する本であれば「私的複製」の範囲に留まるため、合法的であると認識されています。
自炊の由来
もともとは文字通り「自分で飯を炊く」という事を意味し、そこから自分が食べる物を自ら調理して用意する事を指して使われるようになりました。
また、電子書籍化する行為を「自炊」と呼ぶようになったのも、自分で食事を作るという意味での「自炊」から由来しています。書籍を刃物で断裁して分解して作業を行う様子が、包丁等を使って自分で料理をする様子に似ていることから同じ呼び方をされるようになりました。この呼び名はWeb上で用いられ始めたインターネットスラングの一種ですが、KindleやiPadなどの電子ブックリーダーの登場や電子書籍そのものの普及などを背景に、広く知られつつあります。
自炊の文章・例文
例文1.節約のために贅沢は我慢して、なるべく外食せずに自炊をする
例文2.一人暮らしが長くなり、自炊生活にもだいぶ慣れてきた
例文3.自炊だけで十分な栄養を摂るのもなかなか難しい
例文4.最近熟読している書籍を通勤中にスマホでも読めるようにしたいので、本を丁寧に分解して自炊してみることにした
例文5.私的利用のための複製であれば、自炊は合法的だと言われている
2つの意味を持つ言葉ですが全く同じ漢字・響きなので、その前後の文脈を参考にして、どちらの意味なのかを考える必要があります。
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自炊の会話例
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いつも家に帰ってから何をして過ごすの?
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一人暮らしだから家事を済ませた後、趣味の自炊をしたりしてるよ。
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自分で食事を作ってるんだ、偉いね。
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たしかに食事も作ってるけど、さっき言った「自炊」は、本を電子書籍化するって言う意味だよ。
電子書籍化と言う意味では、まだ一部で知られ始めた段階の言葉なので、一般的にはまだ知らない人も多いかもしれません。
自炊の類義語
自分で自分の食事を作る事を、別の言葉で「手賄い(てまかない)」と言います。また、外食せずに家で食事するという意味で「家飯(いえめし)」も類義語と言えるでしょう。
電子書籍における関連語としては、電子書籍を購入したり書籍をそのまま読む方法に対して、自炊によるデジタルデータを持ち歩くユーザーを「自炊派」などと呼ぶことがあります。
自炊まとめ
本来の意味での「自炊」は一般的に広く知られ、日常会話でも度々使われる言葉です。しかしもう一つの「電子書籍化」という意味があることを知らない人はまだまだ多いので、覚えておくと人に解説できる機会もあるかもしれません。