認認介護(にんにんかいご)
高齢化が進み、介護者の人数が高齢者に追いつかない2025年問題にもつながる、現代社会の問題に「老老介護」と「認認介護」があるのは多くの人が周知している事実です。未来の話ではなくすでにこの認認介護をしている方々も多く生活が難しい状況に陥っている家庭もあります。さて、老老は字を読んですぐわかるかと思いますが、認認はなんのことを指すのかすぐにはわからないという人のために今回は「認認介護」について解説していきたいと思います。
認認介護の意味
老老介護の中で、認知症の要介護者を、認知症の要介護者が介護することを「認認介護」と言います。
認知症同士の夫婦で生活をしている場合もあれば、同居している子が65歳以上で認知症という場合もあります。
認知症ですので薬や食事、排泄などの生活における必要な介護を忘れたり、幻視や妄想、判断力や身体能力の低下などの問題で介護中に怪我をしたり、病気の治療がままならなかったりと事故の原因になりやすく大変危険だと言われています。
認認介護の由来
由来というよりは認認介護が発生してしまう理由なのですが、
他人に助けを求めることに対する抵抗感が強い人が多く自分や家族以外に体や生活、家を見られたくないと思う人が多いのも理由の一つになります。
さらに子どもが独立し、別居する核家族化が進む中で、子どもの世話になるのは情けない、申し訳ないという意識を持った人が多く、配偶者に介護を任せる人が多くなってしまいました。
中には金銭的な面で余裕がなく、施設に入れず、訪問型の介護サービスもなかなか受けられず、介護サービスを受けたいと思っても受けることができない人も多くいるようです。
認認介護の文章・例文
例文1.隣の家は夫婦で生活しているが認認介護らしいので近所の人たちで密かにサポートしている
例文2.叔母と祖母は認認介護となるが今の所2人でなんとかやっている
例文3.両親が認認介護になってしまうのでなんとか工面して施設に入るよう説得した
例文4.認認介護の怖いところは生活面でも身体面でも共倒れになってしまう可能性が大きいことだ
例文5.かなり心配ではあるが、認認介護でも幸せそうにしている夫婦もいる
介護者が自分に認知症があると気づかずに配偶者の介護をしていて認認介護となってしまっているケースもあるそうです。
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認認介護の会話例
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あの家の夫婦どっちも認知症だけどとても仲が良くてあったかいよね。
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あんな幸せな認認介護もあるんですね。
二世帯住宅だから上の階にご家族住んでるんですよね? -
仕事で家を空けてることが多いけどね。不穏になっちゃった時に家族さんがいたら対応してくれるよ。
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なるほど、家族が住んでても訪問介護って必要なんですね。
二世帯住宅に住む夫婦の介護をする訪問介護員の会話になります。
認認介護の類義語
認認介護の類義語には「老老介護」が挙げられます。どちらも2025年問題につながる社会的な問題になります。
認認介護まとめ
昔は施設や介護職など充実しておらず、ほとんどは自分で親の介護をしてきたからこそ「娘や孫にやって欲しくない」「情けないし恥ずかしい」という思いが強い方が多いように思います。わからないことが多くなって不安ではあるけど自分まだそんな人の世話になる程じゃない、できるところはやり続けたいという想いから家族や介護関係者に頼らないケースも多くあります。認知症は自覚しづらく、本人は上記のように情けない姿を見せる必要がないと思っている場合が多いのでできる限り想いを尊重したさりげない地域の人や家族のサポートが必要となります。