竹屋の火事(たけやのかじ)
「竹屋の火事」は知らない人が多い諺ではないでしょうか? ”竹屋”と”火事”があるので、粗末な家は火事になりやすいと、間違った解釈で覚えている場合もあると思います。そんな少々難解な「竹屋の火事」について、正しい解説を始めさせて頂きます。
竹屋の火事の意味とは
「竹屋の火事」の意味は以下の通りとなります。
(1)怒って大きな声で文句や注意したり、叱る時の例え。
(2)竹が燃えると、節の空気が膨張して大きな音を発生させる。その音を怒り声に例えて、怒って文句を言う人を「竹屋の火事」と例える。
各辞典などにより微妙に解釈が違いますが、大筋で上記の様な意味となります。”竹屋”は竹を売る店だけでなく、竹で作った貧しい家という意味もあるので、「竹屋の火事」を粗末な家の火事と解釈する人もいますが、それは誤りです。また、怒る人だけでなく、何でも好き勝手にズケズケ言う人も同様に「竹屋の火事」となります。
竹屋の火事の由来
「竹屋の火事」の由来は残念ながら不明です。”竹屋”については、鎌倉時代の世俗説話集「古今著聞集」(1254年)に、「竹屋をつくりて、黒木の屋に擬して」という一文が残されています。その後も、江戸時代の神道家・神龍院梵舜の「梵舜日記」、歌舞伎「戻橋脊御摂」(1813年)などに、竹屋が度々登場します。
竹屋の火事の文章・例文
例文1.父親はお酒を飲むと、竹屋の火事のような状態になり家族全員が迷惑している。
例文2.コンビニで、老人客が店員に対して竹屋の火事になり、収拾がつかなくなった。
例文3.短気な人は、竹屋の火事になりやすい。しかし、大人しい人も一度切れると、歯止めが利かないので結局は同じだ。
例文4.妻は年々小言が多くなり、その度に将来は竹屋の火事になると思うと、憂鬱になってしまう。
例文5.今年の夏も猛暑だったので、些細な事で竹屋の火事になり反省をしている。
「竹屋の火事」を怒る、短気などに解釈した例文となります。
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竹屋の火事の会話例
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友人から、最近怒りっぽくなったと指摘されたけど、どうかな? 自分ではよく分からないんだよね!
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私には変わりないけど、友人が言うならそうなのかなー?
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あれだよ、竹屋の火事になるから気を付けろ、そんな風にも言われたよ!
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それは、怒りっぽいのもあるけど、ズケズケと大声で何でも言うからじゃない。最近は静かで大人しい男性が多いから、あなたのような性格だと周囲から浮いちゃうからね。
「竹屋の火事」と友人から指摘された男性が、女性に相談をしている内容です。
竹屋の火事の類義語
「竹屋の火事」の類義語には、「竹藪の火事」「怒髪天を衝く」などの言葉が挙げられます。
竹屋の火事まとめ
「竹屋の火事」は、竹が燃える時に大きな音を出す事から、大声で怒ったり叱る人、またズケズケと好き勝手言う人に対して例えとして使われます。”竹屋”という言葉は、かなりの歴史ある古い言葉で、鎌倉時代を起源にして現代まで使われています。