恣意的(しいてき)
「恣意的」は好んで使う人も多いですが、実は間違った解釈で使っている人も多い、扱いが難しい言葉です。何となく「恣意的」と使うと、言葉に含みが持たされる感があるので、それが好んで使う側の理由でしょう。返答する方も、前後の文脈や発言で何となく意味が分かるので、「恣意的」を気にしないで、当たらずとも遠からずな無難に返事をすれば、それで丸く収まります。雰囲気重視で、正しい意味がよく理解されていない「恣意的」について解説となります。
恣意的の意味とは
「恣意的」の意味は以下の通りとなります。
(1)気まま、自分勝手、その場やその時々の思い付きで判断する。
(2)論理的な必然性がない、自分の思うままに行動する。
(3)偶然、場当たり的、好き勝手など。
「恣意的」とは上記の様な意味で、自分勝手や気ままと解釈すると理解しやすいです。その一方、現在もその解釈をめぐって、度々議論が巻き起こっています。それは「恣意的」とは、「意図的」や「作為的」と似ている意味であるのに、敢えて”恣意的”と使われるのが最近は多いからです。その為に誤解や間違って解釈する人も増えたようです。その一例として、2000年代に入るとデータねつ造問題が横行し、そこでは”恣意的”という表現で溢れました。「データを恣意的に偽造した」、「データの恣意的操作を規制」等々ですが、本来は別の言葉を使っても良いのに、「恣意的」が便宜上都合良く使われました。現在は、「恣意的」と”偶然”や”意図的”を同じ様にするか否かで、元となる発祥まで遡り、その使い方について論争となっています。「恣意的」がここまで多用されなければ、よくある使いやすい言葉の一つだったのですが、メディアが何かにつけて「恣意的」を好んで使い始めたのが発端のようです。
恣意的の由来
「恣意的」は「恣意」と同義で、「恣意」には自分の欲するままに振る舞う、自分勝手、気ままなどの意味があります。「恣意的」の正確な由来は不明ですが、漢詩集「山陽詩鈔」(1833年)に「恣意」を使った漢詩が残されています。
恣意的の文章・例文
例文1.記者がどの事件を紙面に掲載するか、恣意的に判断できるので、実は大変な問題ではないのか。
例文2.権力側が恣意的に振る舞えるなら、誰かが止めなければならない。
例文3.恣意的とは自分勝手なのに、それを都合よく解釈する不届き者が多くなっている。
例文4.恣意的な教師の振る舞いで、クラスの一部生徒が差別されていると感じたなら大問題である。
例文5.中国や韓国は国全体が恣意的な報道をしているように思える。
自由気まま、論理的な必然性がないと解釈した「恣意的」を使った例文です。
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恣意的の会話例
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自由気ままに生きているのは、恣意的という表現で良いの?
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それは違うよね。自由気ままに生きているのは、風来坊だね。
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じゃあ、恣意的とは何なの? 自由気ままっていう意味でしょう。
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自論だけど、ある社会的なポジションの人が立場を顧みず、自由に判断し周囲に迷惑をかけた結果が、恣意的と表現するのが正しいと感じるかな。
「恣意的」について、男女2人が解説をしています。
恣意的の類義語
「恣意的」の類義語には、「任意」「随意」などの言葉が挙げられます。
恣意的まとめ
「恣意的」は、気ままや自分勝手などを意味する言葉です。意味深に使えるがその反面として、誤用が多い言葉としても有名で、最近ではそれが論争にもなっている程です。個人的には、何か社会的な問題が起こった際にそれが悪意があった時や、悪い結果となった時に使うのは理解できるが、それ以外で「恣意的」を多用するのは、どうも腑に落ちません。さらに、「恣意的」を良い表現として扱う風潮も違う気がします。