ノーサイド(no side)
日本で開催されているラグビーW杯が大変な盛り上がりを見せているので、ラグビー用語を覚えてしまった人も多いですよね。ルール以外にも、”オールブラックス”などの各国代表の愛称や「ハカ」もすっかりお馴染です。では、最も基本的なラグビー用語「ノーサイド」はご存知ですか? かつては名作ラグビードラマの「スクールウォーズ」で何度かセリフとして登場したり、最近ではそのものズバリで「ノーサイドゲーム」というドラマが話題になりました。
ノーサイドの意味とは
「ノーサイド」の意味は以下の通りとなります。
(1)ラグビー用語で「試合終了」を指す。「フルタイム」(full time)と同義。
(2)「ノーサイド」を直訳すると”サイドなし”となるので、敵側(敵サイド)や味方側(味方サイド)に関係なく試合が終了すれば、全員がラグビーをする仲間と解釈されている。
(3)ラグビー以外では企業名、楽曲・小説・漫画タイトル等々。
(4)ラグビー用語から発展し、互いに勝負事が終われば敵も味方も関係なく称え合う。
ラグビーファンにとっては「ノーサイト」は試合終了を意味する言葉ですが、厳密には和製英語であるという意見もあり、近年は「フルタイム」を使う傾向です。「ノーサイド」とアナウンサーなどが叫べば試合終了と理解できますが、それは日本人や日本だけの場合です。海外では現在、終了時に「ノーサイド」と言われないどころか、意味すら理解されません。その代わりに「フルタイム」がお馴染みで、これは他のスポーツや特にサッカーなど試合時間が決まっている球技では常識となっています。「ノーサイド」には試合終了以外にももう一つの側面があり、それは「ノーサイド」になった瞬間に敵味方も関係なく、全員が仲間という精神です。激しい試合が終われば勝ち負け関係なく、共に健闘を称えあうというスポーツマンシップです。この考えは、政治における党の代表を決める選挙などの際に、政治家が決まって発言する定番となっています。
ノーサイドの由来
「ノーサイド」の由来は、現在は非常に曖昧となっています。一説によると、1970年代まではイギリスなどでは「ノーサイト」が使われていたと言われています。しかし、それもラグビーの試合終了を意味するだけで、日本のような敵味方関係ない精神面としての意味ではありません。現在は完全に「フルタイム」が定着しているので、「ノーサイド」が和製英語なのか否かという論争が度々起こるほどです。ラグビーは最も激しいスポーツなので、試合終了後には健闘を称え合うと伝えられてきたのですが、それを「ノーサイド」と呼ぶのは残念ながら現在は日本だけですし、発祥の地であるイギリス(イングランドなど)で、かつては呼ばれていたかどうかは不明です。
ノーサイドの文章・例文
例文1.日本が決勝トーナメント進出決定の際のノーサイドほど、嬉しく感動したものはない。
例文2.ノーサイドは大敗したチームにとっては、正直とても残酷なものだ。
例文3.ノーサイドが海外では通用しないのは、意外に思ったラグビーにわかファンも多い事だろう。
例文4.海外の選挙でも、ノーサイドの精神などがあるのか疑問だが、きっとないだろう。
例文5.ノーサイドはスポーツを過剰に美化する、日本の風土に合っている。
「ノーサイド」は基本的にはラグビー用語なので、その様な例文となります。
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ノーサイドの会話例
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ラグビーW杯をテレビ観戦していますか?
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当然でしょう。私はお酒片手に、興奮してみているよ。
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じゃあ、今度は一緒に観ましょうよ。一人で見るより、二人の方が盛り上がるし、日本が勝ってノーサイドの瞬間とか最高じゃないですか?
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えー、もしかして誘っていない? 私は彼氏がいるから、それは反則だよ。
ラグビーを一緒に観ようと、気になる女性に「ノーサイド」をだしに使って声をかけたら、断られた内容です。
ノーサイドの類義語
「ノーサイド」の類義語には、「オンサイド」「キックオフ」などの言葉が挙げられます。
ノーサイドまとめ
「ノーサイド」は試合終了を意味するラグビー用語ですが、現在はイギリスなど本場でも残念ながら意味が通用しません。海外では試合終了を「フルタイム」と呼び、「ノーサイド」が使われていないどころか大半の人には意味すら理解されていません。また、「ノーサイド」が普及した背景に、敵味方関係なく称え合う精神面がありますが、これも日本独自の解釈が定着したと理解して問題ありません。