千鈞の弩はけい鼠の為に機を発たず(せんきんのどはけいそのためにきをはなたず)
「千鈞の弩はけい鼠の為に機を発たず」も相当難解な諺の一つです。鼠を使った諺はいくつもありますが、その中でも知っている人も少ないと思われます。意味も分かり辛いですが、実は「驥をして鼠を捕らしむ」と同じような意味を持っています。それでは、より詳しい解説を始めさせて頂きます。
この記事の目次
千鈞の弩はけい鼠の為に機を発たずの意味とは
「千鈞の弩はけい鼠の為に機を発たず」の意味は以下の通りとなります。
(1)ハツカネズミを捕まえるのに強力な武器である石弓を利用しないとする意味で、小さな事や些細な事を大袈裟にしないという教え。
(2)大志を抱いているなら軽はずみな行動は控える。柔軟な対応をするべき。
解釈が少し難しい諺ですがそもそもの意味として、”千鈞”は非常に重いとなるので「価値が高い」「非常に価値ある事」となり、”弩”は東アジア(中国)で昔から使われている「石弓」「大弓」で、”けい鼠”はハツカネズミの別名となります。これらを合わせると、「ハツカネズミを捕まえるのに大事な石弓を使う必要はない」と解釈でき、そこから小さな事を大事にしない、大志を抱いているなら軽はずみな行動はしない、という教えがある諺となります。「驥をして鼠を捕らしむ」と似た意味を持つ事で知られ、どちらも同じような使い方となります。
千鈞の弩はけい鼠の為に機を発たずの由来
中国戦国時代の三国志「魏書」の「杜襲伝」には、「千鈞の弩はけい鼠の為に機を発たず」の起源となる漢文が記されています。
千鈞の弩はけい鼠の為に機を発たずの文章・例文
例文1.幼い我が子の失敗に妻がムキになっていたので、千鈞の弩はけい鼠の為に機を発たずが頭を過った。
例文2.高校生天才棋士とプロ棋士の対決を見ていると、千鈞の弩はけい鼠の為に機を発たずはこの二人には関係ないと納得した。
例文3.優秀な大学に在籍しながら、違法行為で簡単に逮捕される若者を新聞で見ると、両親は千鈞の弩はけい鼠の為に機を発たずと教えなかったのかと疑問に感じる。
例文4.千鈞の弩はけい鼠の為に機を発たずを心に刻み、学生時代は飲酒や喫煙などは当然控えていた。
例文5.今ではあちこちに防犯カメラが設置され、若者は少しのイタズラも出来ずに息苦しいだろうが、それでも千鈞の弩はけい鼠の為に機を発たずと思えば、これが現代のルールと納得できるだろう。
「千鈞の弩はけい鼠の為に機を発たず」を現在の常識などに当て嵌めた文章です。
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千鈞の弩はけい鼠の為に機を発たずの会話例
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大人げない人を見ると、ちょっと見っとも無いなーと思うけど、そんな時に使える諺でいいのはありませんか?
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そんな時には、千鈞の弩はけい鼠の為に機を発たず、という諺がピッタリじゃない。
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どんな意味があるんですか?
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確か、鼠を捕まえるのに強力な武器など使うなという意味で、小さな事を大事にするな、軽はずみな行動はするなという教えだよ。
大人げない人に使える諺として、「千鈞の弩はけい鼠の為に機を発たず」を紹介する会話です。
千鈞の弩はけい鼠の為に機を発たずの類義語
「千鈞の弩はけい鼠の為に機を発たず」の類義語には、「驥をして鼠を捕らしむ」「驥服塩車」などの言葉が挙げられます。
千鈞の弩はけい鼠の為に機を発たずまとめ
「千鈞の弩はけい鼠の為に機を発たず」は、三国志「魏書」の漢文を起源とする諺で、大志があるなら軽はずみな行動は控えるべき、小さな事を大事にしない、という教えです。難しい諺なので実際にはあまり使う頻度は少ないでしょうが、来年の令和2年の干支はねずみ年なので、覚えておくと便利です。