城狐社鼠(じょうこしゃそ)
「城狐社鼠」も初めて見ると難しく感じますが、その意味を理解すると実に言い得て妙な四字熟語だと感心するものです。中国の昔の言葉は、悪人を動物に喩えるのが本当に上手いですね。それでは詳しい解説となります。
城狐社鼠の意味とは
「城狐社鼠」の意味は以下の通りとなります。
(1)権力者の威光や陰に隠れて悪事を働く者。権力者側の邪悪な家来「奸臣」の事。また、これらの悪人を取り除く事が難しいとする喩え。
(2)お城や建物など安全な場所から悪さをする狐や鼠。
(3)「城狐」は城に棲みつく狐、「社鼠」は神社や建物などに棲みつく鼠という意味。
(4)「社鼠城狐」も同義。
城や神社などの建物に棲みつく狐や鼠の事を指す四字熟語です。これらの動物は人目を忍んで悪さをするので、そこから権力者の威光や陰に隠れて悪事をする人物について喩える言葉になりました。また、権力者が味方となる事から、その悪人を取り除くのが困難であり、その状況を揶揄して「城狐社鼠」とも使われます。建物を壊せば狐や鼠は逃げ出すが、現実的には難しいので、そんな現状を物語っています。
城狐社鼠の由来
「城狐社鼠」は、古代中国の歴史書「晋書」の「謝鯤伝」が由来となります。
城狐社鼠の文章・例文
例文1.政治家や役人の不祥事がスクープされると、この人たちには城狐社鼠な輩が大勢潜んでいるんだと勘繰ってしまう。
例文2.国会議員などで目立つよりも、城狐社鼠で市会議員など目立たないようにするのが本当の悪人に思える。
例文3.大物芸能人や政治家の子供は、薬物の疑いが出ても逮捕されないのは城狐社鼠ではないのか。
例文4.当の本人は城狐社鼠ほど居心地良くて快適なものはないだろう。
例文5.大企業のリストラや人員整理が上手くいかないのが、社内の城狐社鼠たるグループの力が強いからだ。
「城狐社鼠」を使った大企業、政治家、役人などを皮肉った例文です。
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城狐社鼠の会話例
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父親が絶対的な権力者だったらなーと、偶に思ったりしない?
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そんな事は思わないよ。と言うか何で? お金が欲しいから?
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お金も目当てだけど、父親が偉いと息子の俺も威張れるでしょう。
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まるで城狐社鼠だね。そんな威光の力で威張っても嬉しくないでしょう。
父親が権力者なら自分も威張れたのにと夢想する男性に、「城狐社鼠」と女性が言い放つ会話です。
城狐社鼠の類義語
「城狐社鼠」の類義語には、「君側之悪」「猫鼠同眠」「君側之奸」などの言葉が挙げられます。
城狐社鼠まとめ
「城狐社鼠」とは、権力者の陰に隠れて悪い事をする人を指す四字熟語です。権力者と良好な関係なので、それを覆し悪人を取り除く事が難しいとする言葉でもあります。一度棲みついた鼠や狐を追い出すには建物を破壊するしかないが、現実的には不可能なので、そこから力を持った悪人は厄介な存在であるとなります。