除夜の鐘(じょやのかね)
「除夜の鐘」は日本人なら誰もが知っている大晦日の伝統行事ですが、最近はこの鐘の音が煩いと周辺住民からのクレームが多く、別の面でも話題となっています。肝心の「除夜の鐘」ですが、なぜ108回も鐘を突くのかなど、意外と知らない事も多いですよね。それでは、詳しい解説を始めさせて頂きます。
除夜の鐘の意味とは
「除夜の鐘」の意味は以下の通りとなります。
(1)大晦日である12月31日から元日となる深夜0時に跨って、日本全国の寺院に置かれた鐘を突く仏教の伝統行事。
(2)人にある百八の煩悩を消滅させ新年を無事に迎える目的で、大晦日の午後10時頃から元旦にかけて、仏教寺院で設置されている鐘を108回叩き鳴らす行為。
昔から、仏教の教えとして人間には百八の煩悩があるとされ、それを祓う(消滅)目的で、大晦日に寺院の鐘を突くのを「除夜の鐘」と言います。似た意味で「百八の鐘」というのは、各寺院で毎日朝夕と鐘を突く事です。「百八の鐘」の特別版であり大晦日版が「除夜の鐘」とも解釈できます。これらの行為は、他の仏教信仰国でも一部であるようだが、大々的に実施しているのは日本だけです。鐘を突くのも厳密にはルールがあり、大晦日中に107回までを終わらせ、最後の108回目を新年になってから突きます。NHKなどで生中継で放映されているので、記憶にあると思います。煩悩とは、欲望・怒り・執着など百八ありますが、その中でも「三毒の煩悩」と呼ばれる貪欲・瞋恚・愚痴が最も人々を苦しませると言われています。その煩悩を一年最後の夜に捨てる、取り除く事から”除”が使われて、「除夜の鐘」と呼びます。因みに、数珠の珠の数も百八で、仏教にとって百八とは特別な数字です。
除夜の鐘の由来
「除夜の鐘」は古代中国の宋時代が発祥とされています。煩悩や108回鐘を突くのも、中国からの教えによるものですが、いつ頃日本に入ったのか等の詳細は不明のままです。しかし、煩悩という言葉は平安時代前期の漢詩文集「菅家文草」(900年頃)に残されているので、その頃ではないかと推測できます。「除夜の鐘」としては、江戸時代の「不白翁句集」に一文が残されています。
除夜の鐘の文章・例文
例文1.除夜の鐘を聞いて新年を迎える瞬間に立ち会おうとしているが、結局はアルコールと仕事疲れからの眠気でいつも記憶がなくなり見逃している。
例文2.人生において、一度は除夜の鐘を叩いてみたいものだ。
例文3.除夜の鐘を聞いても、人々は欲望のままに生きているので、煩悩を消し去るのは難しいものだ。
例文4.今では外国人観光客の方が、除夜の鐘を実際に寺院から生で聞くのをイベントとして楽しみにしている。
例文5.昔、彼女と除夜の鐘を聞くために有名な寺院に訪れたら、人込みで離れ離れになり、当時は携帯もなく連絡が取れず途方に暮れたのは、懐かしい思い出だ。
「除夜の鐘」を使った昔の思い出などの例文となります。
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除夜の鐘の会話例
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大晦日の恒例と言えば、除夜の鐘ですよね。
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そうそう。紅白からの除夜の鐘が、定番のテレビだよね。
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でも、そう言いながら去年は寝ていたよね!
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年末は仕事も忙しいし、それが正月休みなると気が緩んで眠くなるでしょう。
「除夜の鐘」を恒例行事としながらも、実際には疲れから寝てしまうというカップルの会話です。
除夜の鐘の類義語
「除夜の鐘」の類義語には、「百八の鐘」「初夜の鐘」「朝夕の鐘」などの言葉が挙げられます。
除夜の鐘まとめ
「除夜の鐘」とは、大晦日から元日にかけて、毎年全国の寺院で設置されている鐘を突く伝統行事です。仏教の教えによって、百八の煩悩と同じ数の108回鐘を突く事で、新年を無事に迎えられると言い伝えられています。