行政代執行(ぎょうせいだいしっこう)
行政代執行とは、本人に代わって執行される措置のことです。行政という言葉が絡んでいることからも分かるように、それを行うのは市役所などの行政の人間です。
行政代執行の意味とは
行政代執行は、行政上の命令を受けた本人がそれを執行しない時に、その本人の代わりに行政が執行することを指す言葉です。
分かりやすい例として、ゴミ屋敷問題が挙げられます。公道にまではみ出すように荷物やゴミを置いているケースでは、少なくともその部分に関しては、行政命令が出れば速やかに片付けないといけません。しかし、いつまで経っても本人がそれを行わないと、期限を切って、行政代執行として行政の人間による撤去が始まることになります。
代執行と”代”が付いているように、あくまで本人の代わりに執行される為、それに掛かった費用は、全額原則的に後から本人へ請求されます。掛かる費用まで行政側がもってくれる訳ではありません。
行政代執行の由来
行政代執行は、「行政の人間による本人の代わりの執行」を、行政上の公的な用語として使う為に縮めて作られました。
正確には、行われる行為そのもののことではなく、措置(手順、計画)自体を表す言葉ですが、便宜上、その行為までも含めてこのように呼ぶことも多いです。その場合、”行政代執行が行われた”という具合に使いますが、決して誤用ではありません。
行政代執行の文章・例文
例文1.あの場所、早く行政代執行で掃除もしてくれないかな
例文2.行政代執行される前に、自分で何とかしようと思っている
例文3.行政代執行に頼りたいけど、なかなかそこまで踏み切ってくれない
例文4.よほどのことでないと行政代執行までは行われないのでは?
例文5.地域に依っては、すぐに行政代執行の対象にする所もあるみたいだ
行政代執行は、それを行う行政側が、どうしても必要だと判断した時に行われるものです。その判断は地域や自治体などによって様々で、簡単にはそうと動いてくれない所も多いのが実際のところです。
行政代執行の類義語
行政代執行は、「強制代執行」とも呼ばれることがあります。この強制代執行は、行政代執行の類義語だと考えて構いませんが、公的な用語ではなく、行政代執行という言葉より、その意味を強く出す意味で言い換えて使う言葉です。
「強制執行」となると、少し意味が変わってしまい、”本人の代わりに”という部分が抜けてしまうので、こちらを代わりに使うなら、「強制代執行」と必ず”代”を入れてください。
行政代執行まとめ
行政代執行は、特に私有財産が絡む措置になると、そう簡単に行われるものではありません。しかし、行政からの措置命令を再三に渡って無視し続けていると、いつ行われることになるか分かりません。