嵩に懸かる(かさにかかる)
時代小説などに多い表現が「嵩に懸かる」ですよね。合戦で優勢となった軍が一気に攻める様を表すのに用いられたりします。そんな「嵩に懸かる」は他にどの様な使い方や意味、由来などがあるのか調べてみました。
嵩に懸かるの意味とは
「嵩に懸かる」の意味は以下の通りとなります。
(1)優勢に乗じて攻める。
(2)優位の立場や地位から相手を威圧する。高圧的な態度。
(3)相手を押さえ付ける。弱みに付け込む。
要は、自らの立場が有利となると一気に攻勢を増す事で、それはスポーツなどの勝負事だけでなく態度や主張など様々な使い方ができます。ですから、上司が部下を叱責する、先制点を上げたチームが勢いに乗るなどで使える言葉として重宝されています。”嵩”は「物の大きさ」「体積」「威厳」「貫禄」、”懸”は「物にひっかける」「預ける」「決着していない」「かけ離れる」という意味があります。
嵩に懸かるの由来
「嵩に懸かる」の由来は、正確には判明していません。一説によると鎌倉時代が発祥で、勢力の大きさで敵を攻める際に使用され始め、江戸時代になってからは高圧的や威圧的という態度も加味されたようです。文献では、軍記物語の「保元物語」に文言が残されています。
嵩に懸かるの文章・例文
例文1.サッカーでは弱いチームでも勢いに乗ると嵩に懸かる攻撃を仕掛け勝利するジャイアントキリングとなるのが面白い。
例文2.縁故入社の先輩は、まるで自分の会社の様に嵩に懸かる言いがかりが多く、同僚や後輩達から嫌われている。
例文3.男女平等と言われるが、普段はおとなしくても女性相手には嵩に懸かる様に豹変して強気となる男もいる。
例文4.麻雀は役満で一発逆転もあるので、嵩に懸かる態度をしていると大恥をかく事になる。
例文5.ボクシングジムに通う従兄は日頃、嵩に懸かる態度をしているが、実は泣き虫の臆病者である。
威張り散らす人などを「嵩に懸かる」と表現した例文となります。
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嵩に懸かるの会話例
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昨日はちょっと注意がきつかったね。言いすぎたゴメン。
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大丈夫です。私もミスが多く、態度が悪かったです。反省しています。
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いやこっちこそ、最近の若者の事を理解せず、嵩に懸かる態度だったと反省しているよ。
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今日は別人のようですね。もしかして、奥さんに注意とかされたんですか。
前日、後輩女性を注意した男性が、嵩に懸かる態度だったと謝罪をしている会話です。
嵩に懸かるの類義語
「嵩に懸かる」の類義語には、「顎で使う」「虎の威を借る狐」「鳥なき里の蝙蝠」などの言葉が挙げられます。
嵩に懸かるまとめ
「嵩に懸かる」は、優勢に乗じて攻める、相手を威圧・高圧的な態度を取るという意味の言葉です。スポーツなどで有利なチームが一気に攻めたり、立場が上な上司が部下を叱責する際などに用いられます。