「不可逆」の使い方や意味、例文や類義語を徹底解説！

不可逆(ふかぎゃく)

これまで、ニュースや新聞などの小難しい話題で｢不可逆｣、または｢不可逆的｣や｢不可逆性｣という言葉を見聞きした覚えはありませんか？ 確かにその堅苦しさから、興味がないとそのままスルーしてしまう気持ちも理解できます。反面、将来に向けた建設的な話題でも使用されやすい言葉なので、この際に正確に覚えておくのも良いのではないでしょうか。それでは、解説に入らせて頂きます。

不可逆の意味とは

｢不可逆｣の意味は以下の通りとなります。
(1)再び元の状態に戻れない。元の性質に戻れない。
(2)元に戻す｢可逆的｣ではないもの。取り返しがつかない。
(3)｢不可逆性｣｢不可逆的｣も同義となる。
”可逆”は｢逆に戻れる｣｢元に戻る｣｢元の状態に戻る｣となり、”不”は否定の言葉で｢…できない｣｢…がない｣となり、二つを合わせて上記の様な元の状態に戻れないのが｢不可逆｣となります。代表的な例としては時間の事で、時間は常に流れているので止める事はもちろん過去に戻るのも不可能です。他にも時間と同様に体の成長や老化も｢不可逆｣なものです。反対を意味する｢可逆｣となるのはパソコンデータの復元や氷と水の関係性といったものです。また、｢不可逆｣は熱力学や再帰性パラドックス、医療分野とも関連させて解説される事も多々あります。病気が悪化しても元の状態に戻るなら｢可逆的｣だが、それが難しく元状態に戻れないなら｢非可逆的｣となるのです。最近はコロナや環境問題に関係して、コロナ前の社会生活に戻れないや環境破壊が進むと弊害が計り知れないとして｢不可逆｣が使われるケースが増えています。未来志向になると、改めて言葉の重要性を理解できるようになるのです。

不可逆の由来

｢不可逆｣の由来は、言葉としては残念ながら不明です。どこまで遡るかによりますが、それでも詳細は分かっていません。一方、物理化学的な観点からなら熱力学の状態量を｢エントロピー｣として、ある条件下での不可逆性の指標の事です。これは、ドイツの物理学者･クラウジウスが1865年に提唱したものです。よって、これ以降に｢不可逆｣や｢可逆｣という言葉が世界に広まったと推測できます。

不可逆の文章・例文

例文1.人生は不可逆だからこそリハーサルがない一発勝負として面白いのだろう。
例文2.不可逆的だと諦めずに、打開策を見つけろと上司が部下に叱責した。
例文3.データ復元が不可逆となったら、システムエンジニアなどは商売上がったりだ。
例文4.学生時代の彼女を今でも思い出す。不可逆的なのは分かっているが、タイムマシンがあれば戻ってもう一度やり直したい。
例文5.コロナによって、これまでの社会生活は不可逆となった事を受け入れるしかない。

｢不可逆｣をコロナや人生などに使った例文となります。

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不可逆の会話例

• 

  ちょっと、それ調味料入れ過ぎじゃない？
• 

  そう？ これぐらい入れた方が美味しいよ！
• 

  いやいや、いくらカレーとは言え隠し味になってないよ。料理は不可逆だからどんどん悪い方に変化して、食べられなくなるって。
• 

  うるさいなー。そんなに言うなら自分で作ればいいでしょう！

恋人同士がカレー作りを巡って言い争いになります。

不可逆の類義語

｢不可逆｣の類義語には、｢非可逆的 ｣｢覆水盆に返らず｣｢修復不可｣｢後のまつり｣などの言葉が挙げられます。

不可逆まとめ

｢不可逆｣とは再び元の状態に戻れない事で、元に戻れる｢可逆｣の反対の意味を持つ言葉となります。よって、時間や老化、回復できない病気や直せない壊れた物や人間関係など多岐に渡って使われる言葉です。元々は物理学や数学などの分野で用いられていた言葉で、そこから他の分野でも使われるようになりました。