原風景(げんふうけい)

「原風景」とは「原体験のイメージにおける風景の形あるものや、心の中の原初の風景」です。これだけではかなり漠然としているので、懐かしい記憶を思い出させる田舎の映像や写真、または実際にそんな場所に行ってみると急に芽生える何ともいえない胸にこみ上げる感情の事です。誰でも子供の頃の記憶や思い出は特別なものですが、同時に普段はあまり意識しないですよね。それがある瞬間に急に思い出して懐かしく感じたりするのですが、そんな時に蘇った景色を「原風景」と言います。この様に言葉では説明がし辛い「原風景」の解説となります。

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原風景の意味とは

「原風景」の意味は以下の通りとなります。
(1)原体験のイメージで風景の形を取っているもの。
(2)心の奥底にある原初の風景。
(3)思想が固まる前の経験における想像による風景の形。
(4)実際の風景に対して懐かしさを覚えるような感情。
「原風景」は非常に漠然としているので、言葉として解説するのはかなり難しいです。その理由として、万人に共通する明確な答えが実はないからです。まず「原風景」とは「原体験のイメージ」という事ですが、「原体験」とは人として思想が固まる前の経験であり、以後の思想形成に影響を与えるものの事です。これが何かと問われると、幼少期に読んだ絵本の世界であったり、田舎にある祖父母の実家、辺り一面に広がる田園や畑、大きな海など要するに子供の頃に体験したり感じ取った最も古い記憶の一つです。それは懐かしさであり、通常は胸奥にしまい込んであるので、ふとした瞬間にそんな記憶が甦る事があるのです。それはまるでフラッシュバックの様で、実際に懐かしい場所を訪れたり、或いは映像や写真等からも、記憶にある思いと似たような景色を目にすると、さもこの場所から特別な懐かしさやノスタルジー的な感情が芽生えるのです。そんな実際の記憶にある、または想像上のイメージに近い風景が「原風景」です。具体的には、大勢の人は前記した様な幼少期に記憶ある田舎の景色を「原風景」とする事が多く、そこには何十年も時が止まっているような村里などの姿は、大人になるほど子供時代の記憶とオーバーラップするものがあるからです。文章などで使う場合は、「原風景を懐かしむ」「原風景と呼ばれる」「原風景の一部」といった風になります。

原風景の由来

「原風景」の由来は、残念ながら不明です。「原風景」は実在するものではなく、個人の心の中で思い描いたり浮かんだものの心象風景とも言われています。そこから無意識を形にした心理学や深層心理学とも大きく関連深いとされますが、詳しくは分かっていません。”原”は「物事の元」「始め」といった意味もあるので、記憶に眠る最初の風景として「原風景」という言葉が使われ始めたと推測はできます。

原風景の文章・例文

例文1.記憶の中の原風景を探し求めて、東京での仕事を辞めて北海道の奥地まで彷徨い続ける事になった。
例文2.よくある定番の地方が都会の観光客を招致するキャッチコピーが、「原風景に会おう」や「原風景を求めて」である。
例文3.ふとした時に原風景を思い出すようだが、私の場合は入院していると寂しさや不安から子供の頃を思い出しては原風景がパッと脳裏に広がる。
例文4.どんな人でも思い出は掛け替えのないものなので、原風景も特別に美化されるのだろう。
例文5.彼女の原風景を巡る旅行をして、最後の場所でプロポーズをする予定だ。

旅行やキャッチコピーなどで「原風景」を使った例文です。

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原風景の会話例

  • 質問者アイコン

    痛い、痛い! 今、腰がガクってきたよ。ギックリ腰かな。

  • 回答者アイコン

    あなたもそれだけ年ってことよ。

  • 質問者アイコン

    もう40代後半だからなー。

  • 回答者アイコン

    私も最近は、昔の事ばかり思い出すのよ。テレビで田舎の風景が流されると、その瞬間に祖父母の実家で過ごした夏休みの記憶とか。まるで原風景の中で生きているみたいよ!

中年夫婦が互いに年を取ったと実感する会話をしています。

原風景の類義語

「原風景」の類義語には、「原体験」「ノスタルジー」「情景」「メランコリー」などの言葉が挙げられます。

原風景まとめ

「原風景」とは田舎の風景などを見ると懐かしい感情が芽生えて、そんな心の奥に誰もが持ち合わせる原初の風景です。実際に体験・体感していなくても、よくある田園風景や真夏の青空などを見ると、それが子供の頃の記憶を蘇らせどこか懐かしくノスタルジーな気持ちが復活するのです。

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