自惚れ(うぬぼれ)
自惚れとは、自分の外見や能力などが人より優れていると錯覚し得意気になる事です。逆に言うなら外見や才能豊かな人は得意気になっていいのかと言うと、当然そんな事はないですよね。そんなナルシストや自己中な性格だと、学校や会社などの集団生活を送るのはとても難しくなります。日本は村社会ですし、出る杭は打たれるのです。でも、芸能人などは全員が「自惚れ」ばかりとも思えるので、常識範囲や限度を超えた「自惚れ」はまた才能なのでしょう。それでは「自惚れ」について解説をさせて頂きます。
自惚れの意味とは
「自惚れ」の意味は以下の通りとなります。
(1)自分自身に惚れるが転じて、自分が優れていると錯覚し得意気になる。
(2)驕り、誇り、自慢、思い上がるなどの感情から、自分が他人よりも優れていると思い込む。
(3)「己惚れる」とも書き同義。
”自”は「自分」「己」、”惚れ”は「心惹かれ夢中になる」「心奪われる」「心酔」「放心」「老いぼれる」となり、自分自身に夢中や己に心が奪われているのが「自惚れ」です。要するに、外見や頭脳など他人と比較しがちなあれこれについて、自意識過剰から自分が優れていると錯覚する事です。もちろん、中には本当に優秀でありナルシスト的な感情からの得意気になる場合もありますが、それでも上から目線や天狗になるような態度に対して周囲は「自惚れている」と思うのです。ですから、結果如何ではなく、得意気な人は全て「自惚れ」となってしまいます。人間謙虚になって生きるのが大切という事なのでしょう。類語となるのは前述したような驕り・誇り・自慢・思い上がるだけでなく、調子に乗る・気障・プライド高い・鼻高々・優越意識・優越意識・ナルシズム・ナルシスト・自己陶酔なども同じような感覚の言葉となります。実際に使う際には、「自惚れ屋」「自惚れている」「自惚れが強い」といった形が多くなります。
自惚れの由来
「自惚れ」の由来は残念ながら不明です。文献としては、江戸時代中期の洒落本「遊子方言」(1770年)などに文言が記されています。
自惚れの文章・例文
例文1.昔から自惚れ体質の兄に飽きれていたが、思春期になると自分も周囲から自惚れ屋と陰口を叩かれている事を知り、どんなに毛嫌いをしても兄弟は似てしまう運命なんだと受け入れた。
例文2.ビジュアル系バンドなどは全員が自惚れ野郎ばかりで、よくあんな変わった連中が一つに集まってバンドを結成できると思ったが、それは類は友を呼ぶであり金と女を得る為の手っ取り早い手段だと教えてもらった。
例文3.渋谷や原宿を歩く最先端ファッションの若者は自惚れが強い自意識過剰の集まりでもあるが、近い将来の失敗者や破綻予備軍の姿でもある。
例文4.奇抜な髪型の日本代表選手ほど試合前に君が代を歌わないが、それが引退して解説者になると饒舌になってあれこれ話すのだから、自惚れとは若さという現役世代だけが持つ特権や武器なのかも知れない。
例文5.高級外車に乗っている輩は国産車を見下し、コンパクトカーは軽自動車を見下すスパイラルがあまりにも多いのは、ディーラーや車メーカーが運転手を自惚れさせる魔法を掛けていて、引っ掛かるのは特殊詐欺に遭う高齢者よりもお粗末だ。
「自惚れ」を皮肉として使った例文です。
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自惚れの会話例
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今度、整形しようと思うんだけど、どう思う?
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どこを直すんですか?
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目を二重にして、鼻を高くして、顔を小さくしようと計画しているんだ…。
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それって全部ですよね。でも…、いいと思いますよ。今はジェンダーレスな社会を目指そうとしているんだから、男だろうと女だろうと整形をしたくなる人もいますよ。でも、いい顔になったからって自惚れは厳禁ですからね。
男性が整形を考え、女性の知人に相談するという会話です。
自惚れの類義語
「自惚れ」の類義語には、「手前味噌」「自画自賛」などの言葉が挙げられます。
自惚れまとめ
「自惚れ」は自分の外見が良いや才能があると思い込み、過剰に得意気になってしまう事です。本来はそんな才能などはなく、勘違いである場合が大半で井の中の蛙という現実を知らず、驕りや誇りなどから相手を見下すような行動を無意識でも取ってしまうのです。ナルシストやナルシズムなども同義で、言葉通りに「自分に惚れる」という滑稽な性格や態度が「自惚れ」です。