ヘイトクライム(hate crime)
ヘイトクライムとは、人種や宗教、肌の色などの差別や偏見を動機とした悪質な犯罪のことです。これは憎悪犯罪とも呼ばれており、近年では通常の犯罪よりも重い厳罰を与えるものとされています。近頃、アメリカなどでヘイトクライムが問題になっており、ニュースなどで見かける方も多いのではないでしょうか。今回は、そんなヘイトクライムについて解説していきたいと思います。
ヘイトクライムの意味とは
ヘイトクライムの意味は、偏見や差別を動機とした悪質な犯罪のことです。その差別や偏見の内容には、“人種、宗教、肌の色、性別、心身の障害、性的指向、民族的出自”など、様々なものが含まれています。それらは、人間が生まれた時に元々与えられたものであるため、当人たちは何も悪くないわけですが、それを理由に犯罪が起きてしまうというのが現実となっています。特に、人種差別問題というのはアメリカでは黒人か白人かということなどで古くからありますが、一番最初にヘイトクライムが法制化されたのは、南北戦争以後の性別や性的指向、傷害などと言った人種差別による偏見による暴力を規制するものでした。
ヘイトクライムはアメリカでは大きく4つに分類されています。1つ目は、身体的精神的苦痛を相手に味わせることを楽しみ、スリルを得ようとするスリル追求型。2つ目は、元々あるコミュニティーや職場、学校などのグループに特定のカテゴリーの人間が入ってきたとき、拒絶反応のようにその人に脅迫や暴力といった行為を行う反応型。3つ目は、あるカテゴリーの人を一方的に敵視し、それらの人物を排除することが自分の使命だと思い込む使命型。そして4つ目は、宗教などによる偏見意識からでる報復型。どれも加害者側が勝手に敵対視して、それを正義だと思っているかのように攻撃するというものです。日本でも近年は、社会的マイノリティに対しての一方的な犯罪行為として、社会問題になっています。
ヘイトクライムの由来
ヘイトクライムのような偏見や差別による悪質な犯罪はかなり遡るため、いつから起きて問題となっているかは不明ですが、そのような犯罪を実際にヘイトクライムと呼ばれるようになったのは、1985年にアメリカでヘイトクライム統計法というものが提案されたことからとされています。日本では過去に、ヘイトクライムによる犯罪がほとんどなく、法的規制もされていなかったのですが、2009年に、在特会(在日特権を許さない市民の会)というグループが、京都の朝鮮学校に対してヘイトスピーチを行なったことから、そのような行為を人種差別によるヘイトクライム行為だと判断されてから、日本でもヘイトクライムを社会的問題として取り扱うようになりました。
ヘイトクライムの文章・例文
例文1.アメリカではヘイトクライムでアジア系の人が無差別に犯罪に巻き込まれている。
例文2.ヘイトクライムは特に宗教によるものも多く、イスラム教を標的とするものが深刻となっている。
例文3.日本でもヘイトクライムは社会的問題として扱われている。
例文4.アメリカによるヘイトクライム問題は、トランプ前大統領の発言が影響している可能性が高い。
例文5.ユダヤ人への人種差別も、ヘイトクライム問題である。
ヘイトクライムを用いた例文になります。例文4で紹介した、トランプ前大統領の発言とは、コロナウイルスが流行したときにトランプ氏が「チャイナウイルス」と言い続けたことです。この発言には影響力があり、これを理由に、中国だけでなくアジア系の人に対しての偏見がより強まったと言われています。
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ヘイトクライムの会話例
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最近アメリカでヘイトクライムがまた問題になっているよね。
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そうだね。まったく罪のない人が、人種を理由に殺されたりしてて本当に許せないよね。
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人種差別とかの問題っていつになっても続いてるし、それによって争いも起きてしまっているのが現実で悲しくなってくるよ。
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本当に人間って醜い生き物なんだなって思うよね。
アメリカのヘイトクライムについて話している様子です。
ヘイトクライムの関連語
ヘイトクライムの関連語には、「ヘイトスピーチ」や「人種差別」「性差別」などがあげられます。
ヘイトクライムまとめ
今回はヘイトクライムについてでした。ヘイトクライムとは、偏見や差別を動機とした犯罪のことでしたが、実際にそれが深刻な問題にもなりつつあるようです。日本でも社会的問題として取り扱われているので、これを機に知っておくと良いでしょう。