ジョブ型雇用(じょぶがたこよう)
「ジョブ型雇用」とは「欧米で一般的な職務や労働時間などが明確に定められた雇用制度」です。能力高い人は高給を得られたり、責任範囲も明確なので労働者にとっては働きやすい環境となりますが、逆に言うと企業がこれまでのように正社員を守らなくなるので終身雇用がなくなり、簡単に首切りが可能となります。コロナ禍の経済状況悪化やグローバル化などによって注目を集める新しい働き方の雇用形態「ジョブ型雇用」の解説となります。
ジョブ型雇用の意味とは
「ジョブ型雇用」の意味は以下の通りとなります。
(1)職務や勤務地や労働時間などを明確にして日本でも増えてきた欧米型の雇用契約。
(2)これまで日本で導入されてきた「メンバーシップ型雇用」と真逆の雇用制度。
これまで日本の雇用は「メンバーシップ型雇用」が長く定着していました。所謂、新卒一括採用や年功序列制度で、高校や大学を卒業する生徒を大量に一括で採用する方法です。これは平等や横並び、或いは経済成長期の日本社会においてはメリットが多かったのですが、近年の不景気や人口減、そしてグローバル企業に対抗する専門職を育てたり個性を発揮するという点においてはデメリットが目立つようになったのです。そこで注目をされている雇用法が職務や勤務地や労働時間などが明確な欧米各国で主流の「ジョブ型雇用」です。”ジョブ”は「仕事」「作業」という意味なので、そのまま訳すと、仕事に合わせた雇用や個人それぞれの状況に合わせた雇用となります。「ジョブ型雇用」と「メンバーシップ型雇用」のどちらが良いかは一長一短もありますが、昨今のコロナ禍でテレワークが推奨されるようになると、「ジョブ型雇用」に舵取りをする大企業が増えていき、社会としても注目を集めています。しかし、「ジョブ型雇用」は個人の働き方条件を企業に認めさせるというメリットがある反面、これまでのように福利厚生で手厚く守ってくれない弱点もあります。ですから高いスキルアップが求められたり、勤続年数が長くても右肩上がりで給与が増えていかないなど、雇用側の不利となる欠点を認識する必要があります。
ジョブ型雇用の由来
「ジョブ型雇用」の由来は残念ながら不明です。言葉としては1990年に入ってから少しずつ浸透し始め、当時は派遣や短期雇用が増えてきたので、それに合わせて雇用形態の一つとして「ジョブ型雇用」が使われるようになりました。
ジョブ型雇用の文章・例文
例文1.地方在住なのでまともな就職先は見つからず、派遣のジョブ型雇用に採用され大型ショッピングセンターで働くしか道がなく、溜息しか出てこない。
例文2.コロナ禍でジョブ型雇用が増えて、テレワークによる通勤地獄からの解放を喜んでいるようだが、冷静になるといつでもクビになるリスクを抱えた人が増えたので、今後の未来はさらに不景気になると思える。
例文3.これまで不景気で正社員カットの派遣や請負を増やしてきたが、それでも埒が明かず、遂には正社員を首切りするジョブ型雇用に手を出し、これで日本の未来は暗黒期に突入するのが確定した。
例文4.ジョブ型雇用で労働時間は短くなり給料は増えたので、思い切って外車を購入しタワマンに住んだら、生活費が足りなくなったので給付金詐欺をすると決めた。
例文5.能力高い人にはメリット多いジョブ型雇用だが、そんな人は極少数で大半はいずれ人生に行き詰まり生活保護受給者となるだろう。
「ジョブ型雇用」を否定的に捉えた例文となります。
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ジョブ型雇用の会話例
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もう頭にきた。仕事を辞めてやる。
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辞めてどうするの? ローンだって残っているんだよ!
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だから、また働くよ。もっと俺の能力を評価してくれるところで。それに今度はジョブ型雇用にして、給料が高いところを選ぶ。もう低賃金もバカな上司もこりごりだよ。
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あなた…。こんな地方都市のどこにそんな理想的な職場や仕事があるのよ。少しは冷静になって。
転職を希望する夫と、窘めている妻の会話です。
ジョブ型雇用の類義語
「ジョブ型雇用」の類義語には、「欧米型雇用」「能力主義」「実力主義」などの言葉が挙げられます。
ジョブ型雇用の対義語
「ジョブ型雇用」の対義語には、「メンバーシップ型雇用」「終身雇用」「日本型雇用」「完全雇用」などの言葉が挙げられます。
ジョブ型雇用まとめ
「ジョブ型雇用」とは、これまで主流となってきた日本型雇用と呼ばれる「メンバーシップ型雇用」とは真逆の雇用法です。労働者は職務内容や勤務地などが定められているので、不当な転勤などもなくスキルがあれば給料も高いのでメリットある欧米式の雇用なのですが、しかし、終身雇用や年功序列が無くなり、会社としては景気状況に応じた人員整理も容易で問題点も指摘されています。