当て馬(あてうま)
「当て馬」とは「馬の種付けで牝馬の発情を確認する牡馬で、それ以外では相手の様子見としての仮の人や物の事」です。馬の種付け以外では少々分かり辛いですが、簡単に言うならこちらの本命を隠したり有利にする為の仮の役目となる事で、要は騙す作戦の一つです。ですから、気が弱い人は悪い奴から「当て馬」とされて損な役割が与えられバカを見る事になります。それでは「当て馬」の解説に入らせて頂きます。
当て馬の意味とは
「当て馬」の意味は以下の通りとなります。
(1)競馬や乗馬用の馬の種付けで、牝馬の発情を促す行為だけをさせられる牡馬。
(2)馬の種付け行為で、種馬が牝馬と交尾をする前に発情を確認する牡馬の通称。
(3)馬の種付け行為の牡馬の役割から転じて、相手の様子を窺う仮の人や損な役割を演じさせられたりダミーとして扱われる事など。
「当て馬」は元々は競馬や乗馬用に馬を繁殖させる為の牡馬の通称ですが、それが転じて現在は様々な業界で使われる隠語めいた専門用語となっていて、その多くは相手の出方を探るダミーとしての役割が「当て馬」となります。例えばスポーツなら、強い相手にワザと弱い選手を対戦させたり、或いは油断させて本番になったら別選手に変えるなど騙しのような行為でもあります。仕事ならプレゼンでの比較対象用案や見積もりを下げる目的の相見積もりなどもよくある「当て馬」です。要するに「当て馬」を使うと相手の出方を確認するのに大変有効なのですが、馬の種付け行為なら人間がコントロールできますが、それ以外だと思わぬ偶然が重なったりして必ずしも成功する訳ではありません。なぜなら、相手側も「当て馬」を使ったり騙そうとするのは多々あるからです。因みにさらに深掘りすると、最近は馬の種付けでは「当て馬」をするのは少なくなりつつあり、理由として種付けは牝馬が暴れる事も多く厩務員に怪我リスクが大きいからです。何よりも科学の進歩やデータ管理によって適切な排卵日や発情時期が判明し、「当て馬」をあてがう必要が昔ほどなくなったからです。よって、今後は他の業界でも「当て馬」という行為がどんどん少なくなるかも知れません。
当て馬の由来
「当て馬」の由来は残念ながら不明です。いつ頃から始まったのか諸説が入り乱れていますが、かつての大昔は馬は家畜として飼われていてそこから品種改良が始まり、イギリスでは16世紀頃から競馬が始まりました。日本では1870年に東京で競馬が初めて開催され、その後のどの段階で「当て馬」が導入されたのか分かっていません。
当て馬の文章・例文
例文1.学生時代は何の取り得もなかったので、友人から当て馬と呼ばれるようになってしまった。
例文2.都知事選は当て馬や悪役に変わり種が多く立候補するので面白くて話題になるが、結局は本命が勝利するガチガチの展開だ。
例文3.女子中高生にとっての当て馬とは「当て馬キャラ」で、恋愛漫画には欠かせられない脇役の事だ。
例文4.営業の世界では一度当て馬扱いになると、そこから這い出すのは本当に難しい。
例文5.スポーツの中でも野球のピッチャーは偵察オーダーとして当て馬が出される。
野球や選挙に少女漫画などで「当て馬」を使った例文です。
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当て馬の会話例
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職場の先輩が彼女を欲しいみたいで、女友達を紹介してくれって頼まれて、誰かいい人いない?
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私に言われても…、そうねー、明日職場で仲が良い何人かにそれとなく声をかけてみるよ。
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悪いね、助かるよ。いつも仕事で世話になっているから断り辛くて。
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でも期待しないでよ。それと、当て馬のような扱いをしたら私の立場もないから、そこはちゃんと釘を刺しておいて。
職場先輩から女性を紹介するように頼まれた夫が、妻に相談をする内容です。
当て馬の類義語
「当て馬」の類義語には、「試情馬」「かませ犬」「種馬」「偵察メンバー」などの言葉が挙げられます。
当て馬の対義語
「当て馬」の対義語は厳密にはありませんが、その中でも「本命」「強敵」「正式」などは「当て馬」の反対に限りなく近い意味合いとなります。
当て馬まとめ
「当て馬」は馬の種付け交尾での牝馬を興奮させる役割の牡馬ですが、そこから、他の業界では相手の反応を確かめる仮で出される事です。一般的には野球のピッチャーや選挙候補者、仕事での見積もりなどで相手を騙すようにしてこちらを優位に立たせる一つの効果的な術です。