発破をかける(はっぱをかける)
「発破をかける」とは「爆薬で爆発させる行為から、相手に気合を入れたり激励する事」です。印象としては、屈強な体育教師やエリート的な上司が生徒や部下に「頑張れ」と声をかけて気合を注入するのが「発破をかける」ですよね。それによって気合が入ってやる気が出れば「発破をかけた」甲斐があるというものです。そんなどこか男性社会や縦社会などを表す「発破をかける」の解説となります。
発破をかけるの意味とは
「発破をかける」の意味は以下の通りとなります。
(1)強い言葉で激励したり、気合を入れる事。
(2)爆薬で岩石を爆破する「発破」から、気合をかけたり励ますなどの喩え。
(3)行動が遅い人に早くするよう催促したり、大勢を扇動する言葉。
(3)「発破を掛ける」とも書き同義。
”発破”は「爆薬」「爆薬を仕掛けて岩石を爆破する事」で、物を破壊する勢いある行為を比喩として上記のような相手に気合を入れる事を「発破をかける」となります。要は元気がない相手や間違いをして自信を無くした人に対して、「大丈夫」「気にするな」など声を掛けたり背中を叩いたりして気合を入れるのが「発破をかける」です。多少、昭和的やオヤジ世代ならではのコミュニケーションとも受け取れますが、何もしないよりは効果があるのは間違いなく、「発破をかけられた方」が相当捻くれていない限りはもう一度奮起しようとやる気が漲るものです。よって、元気付けや気合入れが「発破をかける」ですが、他にも行動しないでグズグズしている際に急がせたり、集団を扇動したりある方向に動くように誘導する事でもあります。
発破をかけるの由来
「発破をかける」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては大正労働文学の担い手とされる小説家・宮嶋資夫の著書「山の鍛冶屋」(1926年)などに文言が記されています。
発破をかけるの文章・例文
例文1.受験生だというのにまったく勉強をしない弟の態度に呆れて、母親が何度も発破をかけているが今のところは効果がなく本人は聞く耳を持たない。
例文2.コンビニに行ったら挨拶もしない店員が無駄話をしていたので、発破をかけたくなったがそれでトラブルとなったら面倒なので店を後にした。
例文3.口ばっかりで借金を返してくれない友人に発破をかけるつもりで、消費者金融で借りているほど実は困っていると告げたら、悪いと思ったのか翌日に返済してくれた。
例文4.上司とは発破をかけるのが巧みで部下の失敗の責任を取ってくれれば、かなり優秀だと思う。
例文5.五輪利権に群がる連中は、政府の弱点を握っているので発破をかける必要もなく、好きなようにコントロールして好きなだけ税金を懐に入れてしまう中抜き名人でもある。
気合を入れるなどで「発破をかける」を使った例文です。
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発破をかけるの会話例
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俺もうダメだよ。会社に行けない…、うつ病なんだよ。
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頑張って、あなたなら出来るって。だってあなたは神に選ばれた特別な人なのよ。
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そんな根拠のない発破をかけるなよ。適当な口車にはもう乗らないよ。
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あなたが働いてくれないと、マイホームのローンが滞納しちゃうでしょう。お願い、後30年だけ我慢して働いて。
会社での仕事を拒否する夫と、それを何とか回避しようとする妻の会話です。
発破をかけるの類義語
「発破をかける」の類義語には、「元気付ける」「励ます」「尻を叩く」「促す」「叱咤」などの言葉が挙げられます。
発破をかけるの対義語
「発破をかける」の対義語には、「妨げる」「罵倒」「誘惑」などの言葉が挙げられます。
発破をかけるまとめ
「発破をかける」は「頑張れ」「大丈夫」など気合を入れたり、励まし奮い立たせる事です。教師が受験生に勉強するように声を掛けたりするのは典型的な「発破かける」で、これによってもうひと頑張りしようと活気が漲ったりします。そんな気合掛けや或いは催促めいた事も「発破をかける」となります。