鬼の目にも涙(おにのめにもなみだ)
鬼の目にも涙というのは、冷酷な人間でも時には同情や哀れみで涙を流すという例えのことわざです。誰しもの親や身の周りに仕事関係でそういった人はいるでしょう。その様な人が、突然優しくなったり、同情をしてくれたりしてくれた際に「鬼の目にも涙」と使われます。しかし、「鬼の目にも涙」がいつから使われ始めたのかをしっかりと把握できている人は少ないと思います。そこで今回は、「鬼の目にも涙」とはいつの時代からあるのか、由来やどのようにして「鬼」が使われているのかなどを詳しく解説していきます。
鬼の目にも涙の意味とは
鬼の目にも涙の意味とは以下の通りです。
⑴普段から人に厳しい人でも時には情け深い心を起こし、涙を流すことがあるということ。
⑵鬼のように冷酷な人でも、感動することもあるということ。
⑶思いやりがない人でも、時には人の心を持ち他人の苦しみや悲しみに同情するということ。
どんな人でも、人を哀れむ心があるということと、感動や安心からも涙を流すという例えです。
「鬼の目にも涙」は江戸時代に使われ始めたことわざです。江戸時代は農業が基幹産業であり米は藩の財政を左右する重要な税収源であったため台帳を基に年貢の取立てをしていました。その年貢の取立ての際に農民から恐れられていた代官を鬼と例えられ、年貢の取立てに情をかけたり高利貸しが憐み証文を破ったりしたときなどに、よく江戸庶民から「鬼の目にも涙」と言われていたようです。
鬼の目にも涙の由来
鬼の目にも涙の由来ですが、江戸時代の圧力政治によって人々を管理していた代官が情けから年貢の取立てを緩くしたことから、このことわざが使われる様なりました。冷酷な人間を気性が荒く人を喰らう鬼に例えられたと言います。
鬼の目にも涙の文章・例文
例文1.昔から無口で無愛想な父親だったけど孫ができてからいっぺんしたよね。まさに、鬼の目にも涙ということだね。
例文2.いつも厳しい上司が、この前どうしても辛くて泣いてしまった時に慰めてくれた。上司も人の心を持っていて、鬼の目にも涙だとことわざの意味を実体験できた。
例文3.感情をあまり表に出さず感動する映画を見ても泣かない妹が、愛犬が病気になった時号泣した。
それを見て優しい感情があったのだと思い、鬼の目にも涙ということわざが浮かんだ。
例文4.学校でいつも怖かった先生が、あまり笑わなかったけど卒業式では涙を流し、最後は笑って送り出してくれた時、鬼の目にも涙だなと思った。
例文5.いつも突っかかってくる姑が、自分が倒れた時にはとても心配してくれ、鬼の目にも涙だと思った。
鬼の目にも涙のことわざを使った例文です。
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鬼の目にも涙の会話例
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この前、あの笑わないおじいちゃんが孫を見て笑っていたんですよ。
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やっぱり娘にはどんなに厳しくて笑わなくても孫を見ると感動してしまうんだろうね。
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まさに「鬼の目にも涙」で、自分の親が優しくなるとは思ってなかったよ。
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人はいくら強がっていても、子供や孫の前では本性が出てくるものだよ。
鬼の目にも涙ということわざを使った会話例です。
鬼の目にも涙の類義語
鬼の目にも涙の類義語は「頼めば鬼も人食わず」「鬼の中にも仏」「鬼の血目玉にも涙」があります。
鬼の目にも涙の対義語
鬼の目にも涙の対義語は「仏の顔も三度」「鬼の空念仏(そらねんぶつ)」「鬼の空涙」があります。
鬼の目にも涙のまとめ
鬼の目にも涙のまとめですが、いつも厳しく笑わない人でも誰かのことを思っていたり、本当に冷酷な人でも他人お苦しみや悲しみに同情する時があるということです。「鬼の目にも涙」というのは普段「鬼」のような人が「涙」を流す一面がある時に使う言葉です。