中国恒大(ちゅうごくこうだい)
「中国恒大」とは「債務不履行から経営破たんの恐れがある中国最大手の不動産開発会社」です。現在、最もニュースや紙面を賑わす世界的な企業が「中国恒大」で、その動向が大変注目を集めています。これまで何度も中国経済はバブルと懸念されても、その度に力技で強引にねじ伏せて急成長を遂げてきましたが、さすがに今回はそうもいかないようです。「中国恒大」の負債は約33兆円とされ、仮に不動産バブルが崩壊し他の企業まで影響を受けたら損失は大変な規模にまで膨れ上がります。ですから「中国恒大」と中国政府の動向を世界が注視しているのです。それでは中国経済の発展もストップするのか気になる「中国恒大」の解説となります。
中国恒大の意味とは
「中国恒大」の意味は以下の通りとなります。
(1)中国広東省深セン市に本拠地を置く不動産開発最大手の会社で、直接の従業員は約20万人で関連会社まで含めると380万人というマンモス企業でフォーチュン誌の世界企業番付ベスト500の常連にもなり、創業者・許家印氏は中国で最も成功し巨万の富を築き裕福な人物となっている。
(2)主に不動産開発で近年著しい成長を遂げた中国最大規模の大企業で、住宅以外にも電気自動車開発やプロサッカーチームに飲食業界等と幅広く展開していたが、資金の行き詰まりによる債務不履行の可能性が高くなり経営危機が報じられると、投資家は説明会に大挙押し寄せNYダウも大幅下落するなど「中国版リーマンショック」になって世界経済を混乱に陥れると危惧されている。
「中国恒大」は”中国”と“恒大集団”を合わせた言葉で主に日本など中国以外で便宜上使われ、正しくは「恒大集団」(エバーグランデグループ、英語表記:Evergrande Group)か又は「中国恒大集団」となります。1990年代の中国の急激な経済発展に便乗するように不動産開発で頭角を現し始め、創業者・許家印氏が2009年に香港市場で「中国恒大」を上場すると時価総額は72億ドル以上となり、一躍中国どころか世界を代表するグローバル企業へと仲間入りを果たしました。その後は好調な中国経済もあって不動産開発を軸にしながらも、プロサッカーチーム「広州足球倶楽部」を買収してアジアチャンピオンになったり、電気自動車事業や観光業や飲食業界など幅広く展開させ、名実共に中国を代表する巨大ガリバー企業へと上り詰めたのです。そんな順風満帆だった「中国恒大」ですが、実は足下では経営を不安視する声も出ていました。と言うのは、事業展開を急激に広げ過ぎたので資金を借り入れで調達するようになり、さらに中国政府は不動産バブルを懸念して金融機関に融資を制限するようにしたのです。すると一気に転げ始め、資金を集める為に在庫物件を割引販売するが売れ残り、政府によって販売停止をすると株価は急落し、責任を取って創業者・許氏は辞任に追い込まれ、そして2021年8月末に債務不履行(デフォルト)の可能性を指摘されると、「中国恒大」の本社などには株主である個人投資家が大勢詰めかけ、NYダウを始めとした世界の株価が急落する騒動へとなったのです。これらの経緯から2008年に起こったアメリカ発の世界的な金融危機を真似て「中国版リーマンショック」と呼ばれ、今後の動向を世界が見守っています。因みに「中国恒大」の負債総額は2021年9月時点で約33兆円で利払いの度に数十億規模で現金が必要となり、中国政府が介入して救済するしか道は残されていないようですが、現状では今後は不透明です。
中国恒大の由来
「中国恒大」の由来は残念ながら不明ですが経緯としては、創業者・許家印氏が1996年に設立した企業で、2009年に香港市場に上場し現在に至ります。
中国恒大の文章・例文
例文1.中国恒大のサッカーチームは有名ブラジル人を何人も獲得したり帰化させて一躍アジアを代表するチームへと変貌したが、中国人選手の実力は追いついていなかったので、そんな根本を疎かにしたチーム運営は本体の事業にも通ずるところがある。
例文2.不動産投資というのはどの国でも成長期には最も旨みがあるとされるが、その分バブル崩壊も早くて中国恒大はそこを見誤ったのだろう。
例文3.中国恒大の騒動を見ると、良くも悪くも中国という国の大きさを実感する。
例文4.日本のバブル崩壊と中国恒大の不動産バブルを比較するニュースが多いが、中国は日本の二の足を踏まないしそうならないはずだ。
例文5.どうせ中国恒大の後釜となる企業が出現し、何事もなかったように進んでいくに違いない。
現在の「中国恒大」の問題についての例文となります。
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中国恒大の会話例
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中国恒大もビジネスという大きな波にのまれたかー。
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そうね。これまでも何度も中国経済はバブルって指摘されてきたけど、その崩落の序章が始まったんじゃないの?
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俺はそうは思わないんだよな。どんな時だって、大企業が突然倒産する事ってあるじゃない。その一例が中国恒大で、中国経済自体にはあまり関係がないと思うんだよ。
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じゃあ今後どうなるか賭けようよ? 負けた方がお昼のランチ代を驕りね。
職場の男女が今後の「中国恒大」について会話をしています。
中国恒大の類義語
「中国恒大」の類義語には、同じく中国を代表する企業として「阿里巴巴集団控股(アリババ)」「中国工商銀行(ICBC)」「チャイナモバイル」「中国石油(ペトロチャイナ)」などの言葉が挙げられます。
中国恒大まとめ
「中国恒大」は中国最大手の不動産開発会社だが、多角経営が仇となり資金繰りが難しくなって巨額の負債で債務不履行となる可能性が高まっています。先行き不透明からNYダウが急落するなど世界経済にも大きな影響を与え、今後は中国政府が介入し支えるのか注目を集めています。