頼む木陰に雨が漏る(たのむこかげにあめがもる)
「頼む木陰に雨が漏る」とは「雨から避難した木陰でも濡れてしまう事で、当てが外れたや災難の喩え」です。普通の失敗よりも、ぬか喜びからの失敗の方が精神的なダメージが大きいですよね。一瞬の喜びから一気に落とされるので、そんな様を見事に言い表している「頼む木陰に雨が漏る」の解説をさせて頂きます。
この記事の目次
頼む木陰に雨が漏るの意味とは
「頼む木陰に雨が漏る」の意味は以下の通りとなります。
(1)頼みにしていたのに当てが外れる事。
(2)雨宿りの木陰から雨が漏ってくる事から、転じて、当てが外れてがっかりする喩え。
(3)「頼む木の下に雨漏る」(たのむこのもとにあめもる)も同義。
”頼む”は「希望を伝える」「依頼」「当てにする」「委ねる」「信頼」、”木陰”は「樹木の下の日の光や雨が当たらない場所」、”雨”は「雲から降る水滴」「水蒸気が雲となり水滴が地上に落ちる現象」、”漏る”は「液体や光が隙間から外に出る」「秘密が他に知れる」「除外」「抜ける」で、木陰なのに雨が漏ってくるという事態から、当てが外れる事や非情に残念やがっかりの喩えが「頼む木陰に雨が漏る」です。さらに深掘りすると、大抵の場合はどこかに出掛けている最中に雨に遭ってしまい、やっとの思いで探した木陰で雨宿りをしようとしたら、皮肉な事にそこでも雨が漏ってくるので余計にがっかりとなるのです。ですから、災難に災難が重なるや不幸にさらに不幸といった感じで、失望・目の前が暗くなる・ぬか喜びなども類似の意味合いとなり、期待が外れた時などに使われる表現の一つとなります。
頼む木陰に雨が漏るの由来
「頼む木陰に雨が漏る」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては”雨漏”は江戸時代の辞書「書言字考節用集」(1717年)などに文言が記されています。
頼む木陰に雨が漏るの文章・例文
例文1.今日は給料日だと張り切ってコンビニATMを操作したら、既に残高が微々たるもので、クレジットの支払いがあったのを思い出し頼む木陰に雨が漏るでブルーになってしまった。
例文2.久しぶりに我が家でお正月を過ごせる予定だったのにコロナでホテルに強制3日待機となり、これでは頼む木陰に雨が漏るとなってしまい何とも言いようがないほどショックだ。
例文3.友人が試験日に秘密のカンニング法を伝授すると約束したのに、当日風邪で休みとなり、頼む木陰に雨が漏るとなった。
例文4.頼む木陰に雨が漏るでショックなのは分かるが、絶対に当たるギャンブルはないと教訓になったのではないのか。
例文5.イギリスの大物アーティストが武道館ライブをする予定だったが、コロナ陽性で敢え無く来日中止となり、ファンやチケット転売屋は今頃は頼む木陰に雨が漏るで頭が痛いだろう。
主にがっかりとして「頼む木陰に雨が漏る」を使った例文です。
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頼む木陰に雨が漏るの会話例
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えー、ちょっと待ってくれよ。ボーナスが寸志って本当なの?
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それが本当なの。コロナで景気が悪くなったでしょう。業績不振で今回のボーナスは無いも同然だった。
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本当かよ。どうするんだよ今後の生活は…。今月はお前のボーナスが入るからって期待をしていたのに、頼む木陰に雨が漏るとはこの事だよ。
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さっきから私の所為にしないでよ。コロナと会社が悪いんでしょう。それに、あなたがもっと稼げば生活苦にはならなかったんだから。
コロナで生活苦に陥った夫婦のギスギスした会話となります。
頼む木陰に雨が漏るの類義語
「頼む木陰に雨が漏る」の類義語には、「泣きっ面に蜂」「弱り目に祟り目」「踏んだり蹴ったり」「痛む上に塩を塗る」「傷口に塩を塗る」などの言葉が挙げられます。
頼む木陰に雨が漏るの対義語
「頼む木陰に雨が漏る」の対義語には、「鴨が葱を背負ってくる」「棚から牡丹餅」「嬉しい誤算」「偶然の産物」「怪我の功名」などの言葉が挙げられます。
頼む木陰に雨が漏るまとめ
「頼む木陰に雨が漏る」は期待していたのに当てが外れた事で、がっかりやショックという意味合いの諺です。木陰に逃げ込んだのに雨が漏ってくる事から失敗や不幸が続くといったニュアンスで、類義語や対義語が多い事でも知られています。