見切り千両(みきりせんりょう)
「見切り千両」とは「投資における損失を拡大させない教訓で、含み損は早めに処分出来れば大金のような価値があるいう意味の投資格言」です。投資家の不思議な心理として、利益が出るともしかしたら減少してしまうのではという恐怖から早く決済をして、反対に損失を抱えると明日は利益が出るや損が減少すると期待からズルズルと長期保有をしてしまうのです。これは負けを認めるのが出来ないという大半の人に備わる本質とされ、そんな背景も関係している「見切り千両」の解説となります。
見切り千両の意味とは
「見切り千両」の意味は以下の通りとなります。
(1)投資格言で、取引で含み損を抱えても早めに処分して損失を限定するのが大事とする教え。
(2)投資で重要なのは、損失を長期間保有する事よりもある程度の見切りをつけて手放す事で、これが出来れば大損をするよりも少ない損で済み、大金同様の価値があるという教訓。
(3)「見切り千両、損切り万両」も同義。
”見切り”は「見限る」「諦める」「止める」「断念」、”千両”は「1両の1000倍から大金の喩え」「非常に価値がある」で、投資の世界や証券用語として上記のような意味合いを持つ教訓や格言となります。投資とは想定通りに価格が上がれば儲けとなりますが、反対に下がってしまえば損失である含み損を抱えた事になります。株取引の現物ならそれでも良いですが、信用取引やFXなどレバレッジをかけた証拠金取引だとそんな呑気な事は言ってられません。場合によっては、保有ポジションを維持する為に追証という追加で入金をする必要に迫られるからです。だから「見切り千両」の格言が活きてきて、投資の世界で長期間やっていくなら負けを認める損切りは絶対に必要不可欠で、予想と逆に動けばある程度で損失を確定する「見切り千両」が大事になります。初心者ほど「明日は利益が出る」「今処分したら損失が確定する」と楽観的な希望を持ち、そのままズルズルと価格が逆に動き続け仕舞いには大損をして相場の世界から退場をするのです。ですから10回や50回連続で勝っても、最後の1回でこれまでの利益を吹き飛ばすぐらい大きく負けるのが投資の怖いところで、だから勝った時こそ次の取引では「見切り千両」に徹するべきとも言えます。
見切り千両の由来
「見切り千両」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては”千両”は平安時代の長編物語「宇津保物語」(970〜999年頃)などに文言が記されています。”見切り”については文献が発掘されていません。
見切り千両の文章・例文
例文1.投資を始めようと兄に相談したら、見切り千両などの格言をいくつか教えてくれたが、また口座すら開設をしていないので何の事かさっぱりだった。
例文2.見切り千両を何度も繰り返して貯金を半分にした俺は投資才能がゼロなんだろう。
例文3.長年付き合った彼女から愛想を尽かされて独りになり、まるで見切り千両になったと自嘲した。
例文4.YouTubeの胡散臭い投資動画は、見切り千両すらも理解せずに儲かったと嘯いては再生回数を稼ぐ奴らばかりだ。
例文5.ビジネスの場でも、見切り千両の教えは役立っているのは間違いない。
主に投資などで「見切り千両」を使った例文です。
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見切り千両の会話例
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最初は絶対に儲かると思ったのに…、くそー。ちくしょー。
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投資を始めてから、あなたは日に日にイライラするようになったわよね。
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それを言うなよ。でも、最初は良かったんだよ。買った株はすぐに上がって決済して儲かって…。これを繰り返せば、俺も来年には億万長者だと思ったよ。でも、見切り千両をしなくなってから段々と雲行きが怪しくなって。
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本当に含み損を抱えてイライラしている時のあなたは化け物よ。食事もしないでお酒に逃げて、それで最後は八つ当たりなんて最低よ。
投資を始めて不仲になった夫婦の会話となります。
見切り千両の類義語
「見切り千両」の類義語には、「利食い急ぐな損急げ」「下げるときは一株でも下げる」「下手なナンピン大怪我のもと」などの投資格言が挙げられます。
見切り千両の対義語
「見切り千両」の対義語には、「利食い千人力」「二番底は黙って買え」などの投資格言が挙げられます。
見切り千両まとめ
「見切り千両」は投資格言や用語で、含み損を抱えるよりも見切りを付けて損失を確定させる事が大事とする教訓です。いつか利益になると期待を持ちたいのは分かるが、それは損失が拡大する可能性も秘めているので、それなら潔く負けを認めて処分をすれば千両もの価値があると説いています。