デフレ(Deflation)
「デフレ」とは「品物やサービスの価格が下落し続ける状態」です。もちろん、厳密には価格がゼロになるまで下がる訳ではなくある程度の下落で落ち着くのですが、一時的にはエネルギー価格高騰などが反映され物価が上がる事はありますが、長期的には下がってしまうのが今の日本経済を表す「デフレ」の状態です。価格を上げると商品が売れなくなるのでどうしても安くするしかなく、それがライバル店との安売り競争となり、最終的には共倒れする可能性もある「デフレ」についての解説となります。
デフレの意味とは
「デフレ」の意味は以下の通りとなります。
(1)正式名称「デフレーション」の略で、物やサービスの価格である物価が下落し続ける現象。
(2)「インフレ」と並び経済状況を解説する際に最も使われる用語で、主に金利変動や景気良し悪しが要因となって物価が下がり、お金の価値が上がる状態を指す。
「デフレ」は正式名称「デフレーション」の略で英語表記「deflation」となります。「デフレ」になると、食料品など様々な物やサービスの価格が下がるので、一見すると生活をする上ではお得となり有り難くも感じますが、長期的には企業業績が悪くなり従業員の給料も下がる(もしくは上がらない)ので、必然的に不景気になります。従って「デフレ」=「悪」「否」で、「インフレ」=「良し」「可」とするのがこれまでの経済的な常識でしたが、近年は必ずしもそうとも言い切れず、結局は「インフレ」でも「不景気」に陥るのです。厳密には「インフレ」には「良いインフレ」と「悪いインフレ」があり、物価が上がるが景気も良くなる「良いインフレ」になれば問題ありませんが、これが日本の場合は様々な問題から難しく、「悪いインフレ」か「デフレ」のどちらかしか現実的な選択肢はないのです。最近はコロナの影響もあり、世界的なエネルギー価格の上昇を受けて日本でもガソリン価格の高騰などの煽りで食品価格などに波及し、全体的には「インフレ」の方向に動いています。しかし、物価は上がっても景気が良くならず、それどころか一方では長年続いてきた「デフレ」を象徴する企業である100円ショップや激安店等々は庶民の生活には最早欠かせられず、一時的な物価高があっても「デフレ」の方向に引っ張られるのです。特に先進国の中では日本だけ数十年に渡り物価が横ばいで、経済成長を遂げていないのは明らかとなり、これにゼロ金利政策や少子高齢化にアメリカ経済に大きく影響される景気状況などを加味すると、「デフレ」を脱却する政策やカードは皆無に近く、この現状を黙って受け入れるしか道は残されていません。そして、日本は何十年にも渡って「デフレ状態」なので、螺旋のように続く悪循環として「デフレスパイラル」とも呼ばれています。
デフレの由来
「デフレ」も「インフレ」同様に明確な由来などは実は分かっていませんが、歴史を振り返ると中国後漢時代の歴史書「漢書」には「デフレ」についての記述があり、これが最古とする説もあります。一方で、資本主義や経済学の礎を築いたのはイギリスの経済学者アダム・スミスなので、「デフレ」とも関わり深い人物と言っても過言ではありません。
デフレの文章・例文
例文1.デフレで世間は給料が上がらないそうだが、公務員の自分にとっては対岸の火事以外に何ものでもないので、もっと苦しめと内心ほくそ笑んでいる。
例文2.100円ショップで買物をすると毎回、出来れば税込み100円にしてくれないかと、デフレ下な現在は余計に思ってしまう。
例文3.ネットを使って中古品でも我慢をすれば大半の品物を安く購入できるが、それもこれも全てデフレのお陰なので景気や経済発展を考えると複雑だ。
例文4.大企業はデフレでも潤っているが、それも人件費削減や円安によるところが大きく本質的な経済発展は難しいのが実情だ。
例文5.デフレとインフレのどちらが良いかは究極の選択だが、現役世代は良いインフレを経験していないので、知らない世界を語るのは無理がある。
景気低迷などで「デフレ」を使った例文となります。
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デフレの会話例
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これどうかな? ユニ〇ロで買ったこの見栄えする高級コートがたったの9800円だよ。
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確かに9800円の品には見えないね。オシャレで良い感じだよ。でも、それって…。
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またデフレの恩恵って言うんだろ。別にいいんだよ。デフレだろうとインフレだろうと庶民が安く買物ができれば。
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そうは言っても、デフレが続くと給料も上がらないし国の経済も疲弊していくだけなんだよ。
知人男女が経済や「デフレ」について会話をしています。
デフレの類義語
「デフレ」の類義語には、「経済収縮」「経済縮小」「景気後退」「デフレ経済」「値下がり」「下落」などの言葉が挙げられます。
デフレの対義語
「デフレ」の対義語には、「インフレ」「需要インフレーション」「ハイパーインフレ」「通貨膨脹」「高騰」「値上がり」「急騰」「インフレ経済」などの言葉が挙げられます。
デフレまとめ
「デフレ」は生活用品や食料品やサービスなどの価格が下がる事です。物価が上がる「インフレ」の反対の現象で、経済的な観点から一般的には景気が悪くなる不景気の要因が「デフレ」となり、日本の場合は数十年に渡りこの状態が続く「デフレスパイラル」に陥っています。