サボタージュ(Sabotage)
「サボタージュ」とは「仕事などを怠けるやサボる事で、ビジネス用語として労働者側の権利主張として経営者側を困らせる行為」です。「サボる」はあまり深く考えず気楽に使えますが、元となる「サボタージュ」は少々気構える言葉ではないでしょうか? 突き詰めるとどちらも仕事をしないのは一緒ですが、単に休憩時間を長くするのを「サボタージュ」と表現する人は皆無で「サボる」となりますよね。この様に本来は同じ言葉であり使い方も一緒で良いはずなのに、状況に応じて使い分けてしまいます。そんなビジネス用語「サボタージュ」の解説となります。
サボタージュの意味とは
「サボタージュ」の意味は以下の通りとなります。
(1)フランス発祥の言葉でそもそもは破壊活動全般を指すが、単純な混乱や破壊行為にも労働者の権利主張として争議手段の一つとする側面もあるので、そこから大勢が団結して仕事の能率を落として経営者側に損害を与える方法。
(2)怠業。怠ける。
(3)仕事や授業などをやらないや拒否や怠けるという俗語「サボる」の語源となる言葉。
(4)略した「サボ」や「サボタージ」も同義。
「サボタージュ」は上記のように元々はフランス発祥の言葉で破壊活動全般で使われますが、一般的にはビジネス用語か労働争議で多用される言葉と認識されています。しかし、日本や英米の場合は「破壊」なら「デストラクション」(destruction)の方が認知されているので、敢えて「サボタージュ」を使う事はないでしょう。よって、ビジネス現場で労働者が環境改善などを求めた権利主張として「サボタージュ」となります。今日はやる気が起きないので仕事を「サボる」として「サボタージュ」としても本質的には問題ないですが、やはり通常は単なる気分の問題ではなく、大義名分として労働条件などの改善を求める正当な主張がある際に使うべき言葉です。また厳密には「サボタージュ」は、「積極的サボタージュ」「開口サボタージュ」「消極的サボタージュ」に分類されます。
・積極的サボタージュ…工場の機械を破壊するなど完全なる妨害活動
・開口サボタージュ…自社製品の誹謗目的で嘘情報を流す活動
・消極的サボタージュ…基本的には仕事をするが上司の指揮命令には反発を示す活動
日本では法的な問題や歴史的にも「積極的サボタージュ」「開口サボタージュ」をすると労働者側が不利になるので、「消極的サボタージュ」が所謂「サボタージュ」を示しています。
サボタージュの由来
「サボタージュ」の由来は上記の通りフランス発祥の言葉です。一説によると、かつては木靴を「サボ」と呼び、労働者側と経営者が争議となるとこの木靴を工場の機械に入れて破壊したり、作業効率を上げない為にワザと木靴を履いてだらけて仕事をした事から、このような行為を「サボタージュ」となりました。
サボタージュの文章・例文
例文1.自分としては譲れない強い意志としてサボタージュしていたつもりだが、上司からは単にサボって漫画喫茶に入り浸っているとしか見えず、今日も強烈に説教をされた。
例文2.コロナで過剰な自粛生活を求められたら、温厚な人々もそろそろサボタージュで反発を見せる行動をするかも知れない。
例文3.ブラック企業勤務なのでサボタージュを起こす気力すら残っていない。
例文4.大企業の生産現場はサボタージュを恐れるフリをするが、何しろ経営者側と組合側が密接関係なのだから日本ではストライキまがいもまず起こらない。
例文5.アメリカでデモ隊が商店街を破壊する姿から、企業がサボタージュの要求を呑むのも納得だ。
ビジネス用語として破壊やサボる的に「サボタージュ」を使った例文です。
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サボタージュの会話例
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ところで、最近の職場の雰囲気が妙何だよね。何か以前と空気感が違う気がして。
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どんな風に?
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嵐の前の静けさっていうのかな。あれだけ真面目でやる気があった先輩も、どうも意欲がなくなったというか…。全員がそんな感じなんだよね。
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まるでストライキやサボタージュをする前兆みたいね。あなたは一緒に変な事をしないでよ。せっかく入社できた立派な会社なんだから。
夫が職場の雰囲気が変わったのが心配と、妻に相談をする内容です。
サボタージュの類義語
「サボタージュ」の類義語には、「ストライキ」「ボイコット」「弱体化」「弱める」「削弱」などの言葉が挙げられます。
サボタージュの対義語
「サボタージュ」の対義語には、「ピケッティング」「ロックアウト」「頑張る」「勤しむ」「精出す」「建設」などの言葉が挙げられます。
サボタージュまとめ
「サボタージュ」は「怠ける」という意味ですが、元々は「破壊」などの意味を持つフランス発祥の言葉です。それが労働改善などを訴える労働者側の団結行動や行為で使われる言葉となり、現在はビジネス用語として表面上は仕事をするが積極的にはならず時には命令に背くなどを「消極的サボタージュ」と評します。また、現在も日常で多用される「サボる」は「サボタージュ」を略した言葉の事です。