デジュリスタンダード(De Jure Standard)
「デジュリスタンダード」とは「市場原理ではなく標準化団体が定めた製品の標準規格」です。例えば乾電池は円筒形やボタン形や車用バッテリーなどに分類されていますが、それぞれ大きさや規格も統一され他メーカーの製品を購入しても問題なく使えます。これは「デジュリスタンダード」によってきっちりと規格が決まっているからです。そんな我々の生活における製品の便利なルール「デジュリスタンダード」の解説となります。
この記事の目次
デジュリスタンダードの意味とは
「デジュリスタンダード」の意味は以下の通りとなります。
(1)乾電池などに見られる国際標準化機構などの標準化団体が定めた標準規格。
(2)技術や製品について公的機関や専門家によって策定した標準規格。
(3)「デジュールスタンダード」「デジュレスタンダード」等も同義。
”デジュリ”は英語表記「de jure」(元々はラテン語)で「正当に」「法律上」「規則で決まった基準」、”スタンダード”は同じく英語表記「standard」から「標準」「基準」「常識的」で、一般的な製品全般における統一規格や標準規格が「デジュリスタンダード」です。国際標準化機構「ISO」(イソ:International Organization for Standardization)や日本工業規格「JIS」(ジス:Japanese Industrial Standards)などの標準化機関によって定められ、代表となる製品は乾電池ですが他にもトイレットペーパー・鉛筆・バイクヘルメットなどが挙げられます。反対となるのは、市場原理の力が働き大勢の消費者が支持した事から事実上の業界基準となる「デファクトスタンダード」で、あまりケースは多くないが「デファクトスタンダード」が時間経過によって「デジュリスタンダード」になる事もあります。「デファクトスタンダード」の例としては有名なのはビデオデッキ戦争と呼ばれるVHSとベータの争いで、結果的にはVHSが勝利して標準規格を手にしました。この様な例はパソコンOSのWindows、キーボードのQWERTY配列、スマホOSのiOSとAndroid等いくつもあり、メーカー同士の熾烈な争いが激化して、最終的には双方が共存する場合もあればVHSのように市場を完全に独占する場合もあります。
デジュリスタンダードの由来
「デジュリスタンダード」の発祥などは残念ながら不明です。いつ頃から誕生したのか定かではないですが、代表となる製品の乾電池の場合は、単1と単2の規格は1942年、単3は1951年、単4と単5は1956年にJIS規格で決定し「デジュリスタンダード」となりました。
デジュリスタンダードの文章・例文
例文1.今後はデジュリスタンダードよりも市場原理が働くデファクトスタンダードがさらに一般的になるだろう。
例文2.デジュリスタンダードが時代の流れにそぐわなくのは致し方ない。
例文3.コロナ禍のワクチン成分についてはデジュリスタンダードとなっているのか気になるところだ。
例文4.軽自動車のエンジンやボディサイズなどはデジュリスタンダードに近いものなんだと思っている。
例文5.大企業が圧力をかけたり献金を積めば、特定の製品に有利になるデジュリスタンダードがまかり通る気がしてならない。
標準規格である「デジュリスタンダード」の例文です。
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デジュリスタンダードの会話例
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マイクロSDって便利だよね。音楽プレイヤーやスマホで重宝するよ。
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あの小さなカードよね。音楽や動画も入れられるし、確かに便利ね。
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あれってデジタル製品なら共通だから、デジュリスタンダードって事なの?
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マイクロSDは確かデジュリスタンダードじゃなくて、事実上の標準であるデファクトスタンダードよ。うん、絶対にそうなはず。
マイクロSDが「デジュリスタンダード」なのか「デファクトスタンダード」なのか男女が会話をしています。
デジュリスタンダードの類義語
「デジュリスタンダード」の類義語には、「世界基準」「グローバル基準」「フォーラム標準」などの言葉が挙げられます。
デジュリスタンダードの対義語
「デジュリスタンダード」の対義語には、「デファクトスタンダード」などの言葉が挙げられます。
デジュリスタンダードまとめ
「デジュリスタンダード」の”デジュリ”はラテン語の「法律」等となり、そこから様々な標準化団体によって決められた標準規格の事です。乾電池や鉛筆などが「デジュリスタンダード」の代表で、反対に市場原理で最も売れた製品の規格が半ば標準となるのが「デファクトスタンダード」で、パソコンのWindowsやBlu-rayなどが該当します。