エンデミック(Endemic)
「エンデミック」とは「ある感染症が一定地域や一定季節で繰り返し発生する事態で、インフルエンザやマラリアなどの風土病」です。コロナ禍となり、これまで一度も聞いた事がない専門的な医学用語がまるで一般常識として飛び交うようになりました。当初は違和感だらけだったのですが、ニュースや紙面で何度も登場をすると不思議な事に日常に溶け込んでいきます。そんなコロナも最近は大分落ち着き始め感染者の増減で一喜一憂して騒ぐ事もなくなり、その代わりにメディアを賑わすのが社会活動の再開への出口戦略として「エンデミック」になります。
エンデミックの意味とは
「エンデミック」の意味は以下の通りとなります。
(1)直訳すると「風土病」などで、ある感染症が一定地域や一定季節に繰り返し発生する事態。
(2)コロナ禍3年目を迎え世界的には感染状況は頭打ちの傾向で、大流行である「パンデミック」から季節性インフルエンザのような風土病の扱いにして規制緩和に舵取りすべきという流れ。
「エンデミック」は直訳すると「風土病」や「(世界的)流行病」「特定感染」ですが、昨今のコロナ禍社会となりもう少し幅広い解釈として使われています。コロナが世界的に大パニックを起こした状況を「パンデミック」とするのに対し、2022年になると世界的には感染者数も落ち着きを示した事から経済を優先する規制緩和の方向に動きつつあります。コロナは確かに大変な感染症だが、一方ではこれまでも様々な流行病が発生し対処してきた歴史があるので、コロナだけを例外に扱うのではなく「エンデミック」(風土病)という扱いにして、社会・経済活動をコロナ前のように戻すべきという考え方が主流となりつつあります。ワクチンやマスクで各々が対策をすれば、もう過剰にコロナを恐れる必要がないというもので、当然ながら反対意見として「まだ早い」「第7波懸念」という声もあるので、政府としてはバランスや舵取りをどうするのか判断が難しいです。このような総合的な観点から単なる風土病とするだけでなく、コロナや「パンデミック」と絡ませたのが「エンデミック」です。
エンデミックの由来
「エンデミック」の由来はギリシャ語の「(特定の)人々に関する」「人々の中に広まる」という意味の言葉「エンデモス(endemos)」です。因みに感染症に関する類似の言葉「エピデミック」「パンデミック」もギリシャ語が由来となります。
エンデミックの文章・例文
例文1.一番怖いのはエンデミック扱いになって、コロナ対策は疎かになるが感染者は一向に減らず延々と続く事である。
例文2.若い世代はワクチン接種を拒否する人も増え始め、それこそエンデミックの兆候である。
例文3.コロナにロシアのウクライナ侵攻と2020年代は波瀾含みだが、エンデミック扱いになれば少しは変化が起こるかも知れない。
例文4.マレーシアはエンデミック移行を明確に表明した。
例文5.流行大好きな若い世代がSNSでエンデミックと騒ぎ出せば、コロナ陽性者は反対に増加していくだろう。
コロナに関連させて「エンデミック」を使った例文となります。
- [adsmiddle_left]
- [adsmiddle_right]
エンデミックの会話例
-
ゴールデンウィークの旅行、楽しみ過ぎてもう待ちきれないよ。
-
そうね。でも…、私は不安なんだ。旅行には行きたいけど、コロナに感染した時はもうダメなんじゃないかっていうぐらい体調悪化したから。あれにまた感染すると思うと。
-
大丈夫だって。世間はエンデミックの流れだよ。コロナを怖がって、若い貴重な時間が無駄になる事こそ恐怖だよ。
-
そっちはまだ感染した事がないから呑気に言えるのよ。エンデミックって余裕を見せていると、感染したら地獄を見るからね。
コロナに対する受け止め方が違う恋人同士の会話となります。
エンデミックの類義語
「エンデミック」の類義語には、「エピデミック」「伝染病」「地方病」「コレラ」「マラリア」「インフルエンザ」などの言葉が挙げられます。
エンデミックの対義語
「エンデミック」の対義語には、「パンデミック」「アウトブレイク」「感染爆発」「大流行」などの言葉が挙げられます。
エンデミックまとめ
「エンデミック」は風土病という意味で、コロナ感染者が爆発的に増加する「パンデミック」から落ち着き始めて世界各国が規制緩和へと方向転換を目指す中で注目を集めています。コロナのピークをある程度コントロール出来るなら、出口戦略として経済を活性化させる為にも「エンデミック扱い」として、これまでの様な社会活動を再開させる時期に来ているのかも知れません。