福利厚生(ふくりこうせい)
「福利厚生」とは「企業による従業員への賃金以外の支援で、豊かに生活を送るサポートとして健康保険や年金、社員食堂や旅行に健康診断などの提供」です。要するに従業員に対して健康で豊かな毎日を送って貰う為、企業側が無償や割安価格で様々な生活支援をする事です。大企業や人気のIT企業ほど「福利厚生」が充実し、それが目当てで入社を希望する新卒者も大勢いるほど今の時代は「福利厚生」が大事になっています。
福利厚生の意味とは
「福利厚生」の意味は以下の通りとなります。
(1)企業が従業員とその家族の為に提供する賃金や報酬以外の様々なサービスで、健康保険や社員食堂に交通費や旅行や健康促進などを支援する事。
(2)労働力の確保や定着に勤労意欲を持ってもらう為に、従業員と家族に生活を向上させる様々な支援を行う事。
(3)「福利厚生制度」も同義。
”福利”は「幸福と利益」「幸い」「希望通りになって生活が落ち着く事」、”厚生”は「暮らしを健康で豊かにする」「体力や健康を増進」で、文字通り取れば人間の暮らしを健康で豊かにするのが「福利厚生」です。しかし、通常は企業が従業員とその家族の為に行う様々な生活支援を指し、具体的には健康保険や厚生年金制度への加入、通勤手当や住宅手当などを支給する事です。これらの「福利厚生」は法律で定められている「法定福利厚生」、企業が独自に実施する「法定外福利厚生」に分類され、当然ながら潤っている大企業ほど「法定外福利厚生」が充実しています。ですから、最近は給料や仕事内容だけでなく「福利厚生」で入社先を選ぶ事も多いので、企業側も一層力を入れています。
主な「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」は以下の通りです。
・法定福利厚生の種類…健康保険、介護保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険など
・法定外福利厚生の種類…通勤手当、ガソリン代補助、住宅手当、社員食堂、育児休暇、資格取得手当、健康診断、慶弔見舞金など
「法定外福利厚生」は企業によってかなりの差があり、例えば大手IT企業などは社員食堂やカフェが大変充実して有名ですし、社宅や寮が豪華マンションのような企業もあります。そして「法定外福利厚生」の差別化が難しい企業に向けて「福利厚生代行サービス」を提供する企業まで登場し活況を見せていますが、現実としては売上を伸ばし利益を上げているから従業員に還元出来ている訳で、景気が悪くなるとコスト削減の対象になったり従業員リストラがあるので華やかな「福利厚生」を利用する人が少なくなるという本末転倒の事態に陥ります。
福利厚生の由来
「福利厚生」が日本で導入されたのは明治時代で、当時は西洋文化の影響から様々な工場が造られそこで働く従業員に対して賃金以外に寮や食事を提供したのが始まりとされています。
福利厚生の文章・例文
例文1.父親が務める会社は福利厚生が充実しているので、家族も旅行などでメリットが多く大変有り難い。
例文2.給料に加えて福利厚生を考えると独立や中小企業への転職をどうしても躊躇してしまう。
例文3.ヤクザ組織も福利厚生が充実し、今なら親分特製のチャカやドスが支給されるそうだ。
例文4.現実主義なので福利厚生よりも1円でも多く給料が支給される方が嬉しい。
例文5.我が社の福利厚生で支払われる交通費は全従業員1日300円までという鬼のようなドケチぶりで、それも全て肥えて暑苦しいワンマン社長の独裁によるものだ。
「福利厚生」についての例文となります。
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福利厚生の会話例
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都会の水は合わないから、そろそろ地元に戻ろうと思うんだけど…。
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本当なの? 寂しくなるわね。
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まだ決定ではないよ。と言うのは地元にはまともな会社がないから、再就職も難しいから。
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そうよね。給料が安い会社って福利厚生も充実していないから、色々な面で不満を覚えるのよね。それならもう少し、こっちで働きなよ。
職場の同僚男女による、東京を離れ地元に戻ろうとする男性と心配する女性の会話です。
福利厚生の類義語
「福利厚生」の類義語には、「従業員支援」「EAP」「社会福祉」などの言葉が挙げられます。
福利厚生の対義語
「福利厚生」の対義語はありません。補足として”福利”の対義語は「不幸」「薄幸」「不運」「アンラッキー」など、”厚生”の対義語はありません。
福利厚生まとめ
「福利厚生」は企業による従業員を労わる制度であり仕組みです。大企業ほど独自の「法定外福利厚生」を設けていて賃金以外の通勤手当・健康補助・育児制度・旅行などが充実しているので、地方の中小企業との「福利厚生」の格差は広がる一方で、ますます都会への人口流出に拍車をかけています。