舎弟(しゃてい)

「舎弟」とは「本来は実の弟や義理の弟の事だが、一般的にはヤクザの兄貴分と盃を交わした弟分や子分となる者」です。ヤクザは任侠の世界なので、実の両親よりも親分子分や兄貴分弟分の関係性を大事にしています。違法行為をして警察に捕まる恐れが非常に高い仕事柄なので、口を割らない強い関係性や信頼性を求めるあまりこのような親子や兄弟という世界観が誕生したのでしょう。

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舎弟の意味とは

「舎弟」の意味は以下の通りとなります。
(1)自分の弟。実の弟。義理の弟。
(2)暴力団・ヤクザ組織の上下関係で部下や子分にあたる義兄弟の義弟や弟分の事。
(3)暴走族や不良少年の上下関係で部下や手下の事。
「舎弟」とは大きく二つに分けられ、一つは実際の家族としての自分の弟や義理の弟で、もう一つは赤の他人ながら兄弟のような関係が成立している場合に絆や信頼として使う場合です。前者は本当の家族なので敢えて「舎弟」や「舎兄」と使うのは非常に稀であり、暴力団などと誤解されたりする恐れがあるからです。後者はそれこそ暴力団・ヤクザ組織から暴走族や不良少年も使う事が多く、特に暴力団・ヤクザの場合は盃を交わして兄貴分が義弟となった者を「兄弟」や「舎弟」と呼び、「舎弟側」は兄貴分を「兄貴」と呼びます。力関係は当然ながら兄貴分の方が上ですが、二人の関係性なので「舎弟」にも気を遣って対等や6対4とする場合など状況によって変化します。これとは違ってくるのが同じ反社会的勢力でもある暴走族や不良の場合で、こちらは圧倒的に兄貴分の方が立場が上で、「舎弟」は下っ端であり召使い的な役割をさせられる事も多々あります。要は大人である暴力団・ヤクザの場合は「舎弟」にも配慮するが、子供である暴走族や不良の場合は喧嘩強さや地元の先輩後輩の関係性から「舎弟」となる場合が多く、それが立場をかなり下に扱われる要因となっています。

舎弟の由来

「舎弟」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては平安時代の貴族・菅原道真による漢詩文集「菅家文草」(900年頃)などに文言が記されています。

舎弟の文章・例文

例文1.奮発して高級な寿司屋で食事をしていたら、奥の座敷から「おい舎弟の分際で何をしてくれたんじゃー、ボケー!」というドスの効いた大声が聞こえて、私も含めたカウンターの客は全員シーンとしてお通夜状態で誰も注文もしなくなった。
例文2.やっとの思いで再就職に成功したが、その会社が実は反社会的勢力の隠れ蓑である企業舎弟と知って、何て運がない男なんだと自分自身が嫌になった。
例文3.政治世界もその中身は極道顔負けで秘書は舎弟として身を粉にして働くが、議員に不祥事が発覚すれば真っ先に犠牲となって首を切られる。
例文4.原付バイクを飛ばして交通違反をするのは、不良グループの下っ端である舎弟がリーダーから買物でも頼まれているからだろう。
例文5.ラーメン屋で腕組みをしているいかつい店長ほど若い頃の武勇伝をオーバーに語るが、その黒歴史の真実は舎弟のような扱いだったのにそれを無かった事にするのは実に見事だ。
「舎弟」を使った例文となります。

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舎弟の会話例

  • 質問者アイコン

    そういえば、明日は弟が遊びに来るから。

  • 回答者アイコン

    えっ、舎弟が遊びに来るの? もっと早く言ってよ。

  • 質問者アイコン

    それより、いくらヤンキー漫画が好きだからって舎弟って言うなよ。弟だよ、弟。

  • 回答者アイコン

    あなたの弟は、私の舎弟よ。

弟が遊びにやって来る事になった夫婦の会話内容です。

舎弟の類義語

「舎弟」の類義語には、「弟分」「弟子」「下っ端」「子分」などの言葉が挙げられます。

舎弟の対義語

「舎弟」の対義語には、「舎兄」「兄貴分」「実兄」「兄」「あんちゃん」などの言葉が挙げられます。

舎弟まとめ

「舎弟」は実の弟や義理の弟の事ですが、暴力団や暴走族などが赤の他人ながらも弟のような子分とする者に用いる表現です。一般的には普通の人が実の弟を「舎弟」とは言わず、そのように使うのは反社会的勢力である暴力団や暴走族など一部の限られた集団だけなので、少々恐怖などを感じる言葉が「舎弟」です。

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