錦秋(きんしゅう)
「錦秋」とは「紅葉が色付きまるで錦の織物のように美しくなった景色」です。秋とは紅葉と言っても過言ではなく、その美しい自然美は人々の心を感動させてくれます。その紅葉を織物の美しさと表現したのが今回の「錦秋」になります。
錦秋の意味とは
「錦秋」の意味は以下の通りとなります。
(1)木々が紅葉して錦のように美しい秋。
(2)紅葉が錦の織物のように美しい秋。
”錦”は「織物の総称」「様々な色の糸で自色と文様を織り出した織物の総称」「美しい物や立派な物の喩え」、”秋”は「四季の三番目」「夏と冬の間」で、紅葉を美しい秋と喩えているのが「錦秋」です。紅葉は紅葉色と呼ばれる鮮やかな赤色がいくつも重なり合うので、そんな景色を錦の織物のようだと美しさを称えた表現が「錦秋」になります。一般的な使い方としては、「拝啓錦秋の候」「拝啓錦秋の砌(みぎり)」と秋の時候の挨拶として手紙やメールなどに用いるのが多くなります。
錦秋の由来
「錦秋」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては俳人・阿波野青畝の俳句集「あなたこなた」(1983年)などに文言が記されています。
錦秋の文章・例文
例文1.毎年日光へドライブに出掛け、錦秋を感じるのが私の家族のルールである。
例文2.夏が終わり段々と近所の公園の椛の木が変化して錦秋になると、また一年を無駄に過ごしたと少し悲しくなる。
例文3.拝啓 錦秋の候、貴社のますますのご清栄のこととお慶び申し上げます。
例文4.拝啓 錦秋の砌、〇〇様には今後も更なるご活躍のこととお慶び申し上げます。
例文5.テレビで秋の温泉番組が放送されていると、普段は興味がないのに錦秋を感じたくて思わず最後まで見入ってしまう。
「錦秋」を使った例文となります。
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錦秋の会話例
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うだるような地獄の夏がやっと終わったと思ったら…。
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今日なんてもう秋のように涼しいわよね。寒いって言えるぐらいかしら。
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錦秋を感じられるから、それは嬉しいけど。
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でも夏が過ぎて誕生日の秋になると、無駄な1年を過ごしまた体が老けていくって悲しくなるのよね。
中年男女が秋になる事の悲哀を語っています。
錦秋の類義語
「錦秋」の類義語には、「初秋」「今秋」「晩秋」「秋冷」「秋期」などの言葉が挙げられます。
錦秋の対義語
「錦秋」の対義語には、「春」「晩春」「立春」「春期」「今春」「春分」などの言葉が挙げられます。
錦秋まとめ
「錦秋」は秋の紅葉を表現する季語で、まるで錦の織物ように紅葉が美しいという意味です。通常は仕事取引先や目上の方への手紙やメールでの時候の挨拶として、「拝啓 錦秋の候〜」といった形で使われます。