尤なる(ゆうなる)
「尤なる」とは「自分自身や物などの価値が他を上回るという”最も優れる”という意味」です。現代では違和感もありますが、昔は優れるという場合には「尤なる」が使われていたようです。そこから今でも歴史小説や昔の文献などでは多い表現なので、覚えている人もいると思います。それでは解説に入らせて頂きます。
尤なるの意味とは
「尤なる」の意味は以下の通りとなります。
(1)最も優れている。
(2)特に優れている。
”尤”は「けやけい」とも読み「著しく普通とは異なる」「異様」「素晴らしい」「はっきりしている」といった意味で、優れているをより強調して「最も優れている」となるのが「尤なる」です。日常生活ではほぼ使用されない古語という扱いになり、また中国語という印象を抱く人も多いと思います。補足としては、「尤も」は「もとも」と読み「最も」という意味、また「尤」を「オケラ」と読む場合は「キク科の多年草」となります。今回の「尤なる」の使い方としては「尤なる者」なら「最も優れている者」という意味で、他にも「尤なると願う」「尤なるもので〜」といった形があります。
尤なるの由来
「尤なる」の由来は残念ながら不明ですが、文献として”尤”は奈良時代の日本初の歴史書「日本書記」(720年)などに文言が記されています。
尤なるの文章・例文
例文1.この国で尤なる者は論破が得意な者だと本気で思っている人が多く、頭が痛くなる。
例文2.政治家や官僚は尤なる者のはずだが、それは民衆が勝手に抱いた期待からなる妄想で実は知能も低ければ信念も無く、ただ流されるだけの烏合の衆である。
例文3.金をばら撒くだけのYouTuberが王様気取りで尤なる人間に選ばれた存在と本気で思っているようで、これには環境破壊や温暖化を提唱する学者もびっくりで声を上げて反論する気も失せるだろう。
例文4.体だけは丈夫でこの病院内でも尤なる自信があるが、所持金や貯金の少なさでも自信があるので、うまくバランスが取れている。
例文5.これまで円安を背景に何とか売上や利益を確保してきた大企業もいよいよ節目が変化して不祥事が発覚し危なくなり、今後は先進国の中で尤なる国と大きな顔も出来ず本当に落ちぶれた国家に成り下がりそうだ。
「尤なる」を使った例文となります。
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尤なるの会話例
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子供の頃は優秀だったんだよ。それが…。
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そんな人は世の中に一杯いるって。石を投げれば、昔は尤なる者に当たるぐらい溢れている。
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でも、俺はその中でも本当に飛びぬけた尤なる者で、誰よりも優秀だったんだよ。
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もう分かったから、そんなに興奮しないで落ち着いて。
子供の頃は優れていたのに、今は落ちぶれてしまったと嘆く男性と静める女性の会話です。
尤なるの類義語
「尤なる」の類義語には、「優れる」「凌ぐ」「上回る」「優等」「優秀」「優越」「秀でる」などの言葉が挙げられます。
尤なるの対義語
「尤なる」の対義語には、「拙劣」「劣る」「平凡」「劣勢」「下回る」などの言葉が挙げられます。
尤なるまとめ
「尤なる」は「最も優れる」「特に優れる」という意味です。基本的には古語扱いなので現代はあまり使用されませんが、歴史文学や文献などでは好んで使われる表現となります。また、「尤(ゆう)」だけでも「最も優れる」という意味になりますが、使い方としては「尤なる者」といった形が多くなります。