臭い飯(くさいめし)
「臭い飯」とは「刑務所の受刑者に出される1日3食の食事で、そこから服役に関する隠語」です。ヤクザなどが好んで使う隠語「臭い飯」にはいくつかの解釈があり、前後の文章や会話から全容を掴む必要があります。「臭い飯」=「刑務所ご飯」とする時もあれば、昔は部屋の中に汲み取り式トイレがあったので「刑務所の臭いご飯」、また元受刑者の「刑務所上がり」や「今後収監される予定」といった場合もあるので、その都度で理解する必要があります。
臭い飯の意味とは
「臭い飯」の意味は以下の通りとなります。
(1)ヤクザ・裏社会用語で刑務所の囚人である受刑者に出される食事の事で、そこから懲役刑で服役していた意味の隠語にもなる。
(2)通常の受刑者は刑務所の部屋で他受刑者と集団生活を送り、トイレや洗面所も簡易的で異臭に悩まされる質素な環境下で出される美味しくない食事を指す。
(3)戦前戦後の刑務所で出される「白ご飯」は「古米」で麦の割合が高く、一般社会で食べる「白ご飯」よりも臭いと感じられる事から。
「臭い飯」は本来は受刑者として刑務所で食べる食事の事で、要するに「刑務所のご飯」から「刑務所に服役」等々の意味合いになります。ヤクザや裏社会の人が使う隠語であり専門用語なので正確な意味や使い方は存在しませんが、1部屋に6~8人程度が集団で寝食を一緒にすると臭いなどは気になるもので、特にトイレも同じ部屋内に設置されている簡易的なものだと便臭が気になり、食事中なら尚更不快という事のようです。ですから、刑務所の食事を「臭い飯」として、これから収監されるなら「臭い飯を食べてこい」、刑期を終えて出所した人は「臭い飯を食べてきた」と表現します。よって、特に現在は刑務所の食事も良くなっているので食事自体が臭いのではなく、トイレも近くにある部屋での集団で食事をする生活が「臭い飯」なのです。かつては古米が使われるご飯の臭いとも言われていましたが、これは刑務所側や受刑者が言ったのではなく、ヤクザや犯罪とはまったく関係ない塀の外の一般住民が刑務所の食事は古米だから臭いと、想像から広まったとされています。そして、昭和中期ぐらいまでは汲み取り式便所が普通に使われていたトイレ事情から、その頃の刑務所は現在よりも明らかに臭いが気になり、服役する受刑者が強く印象に残ったので時代を越えて「臭い飯」が現代でも通用する言葉となっているようです。
臭い飯の由来
「臭い飯」の由来は残念ながら不明です。江戸時代などの囚人を収容する牢屋はトイレが囲われておらず、非常に不衛生な環境で食事をしていた事からとも言われていますが、当時は水洗トイレなどは当然完備されていないので庶民の生活も似たようなもので、このような諸説が入り乱れいつ頃から使われ始めたのか分かっていません。
臭い飯の文章・例文
例文1.兄も姉も悪さをして捕まり臭い飯を食べた経験者だが、真っ当に生きてきた弟の俺が不快な体臭を周囲にまき散らしているのはどうにも不合理でならない。
例文2.高級焼肉店で1人ディナーを楽しんでいたら、隣テーブルに座る半グレみたいなメンバーが臭い飯自慢大会を始め、恐怖から顔を合わせないように網だけ一点集中で見つめ早食いして店を出たら胃もたれが襲ってきた。
例文3.刑務所の臭い飯よりも、我が家の爬虫類とゴキブリが暮らすゴミ屋敷の方が何倍も臭い。
例文4.男性受刑者の臭い飯はまだ笑えるが、女性受刑者の臭い飯は相当辛そうでだから酷い苛めが起きているのだろう。
例文5.アメリカのように食事の度に受刑者が移動をすればトイレと同じ部屋で臭い飯を食べずにすむが、システム的に日本ではまず不可能だろう。
「臭い飯」を使った例文となります。
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臭い飯の会話例
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実は話してこなかった秘密があるんだよ。
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それは何?
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二十歳ぐらいから約5年間は臭い飯を食べてきて、だから…、こんな汚れた過去を持つ男が君を幸せにする結婚はできないんだ。分かってくれ!
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別れたいから、そんなウソを吐くんでしょう。私は騙されないから。
恋人に「臭い飯」を食べてきた過去を告白したが、彼女は全く信じないという内容です。
臭い飯の類義語
「臭い飯」の類義語には、「アカ落ち」「シャリ」「ムショ」「寄せ場」などの言葉が挙げられます。
臭い飯の対義語
「臭い飯」の対義語には、「シャバの飯」「シャバの空気」「ムショ帰り」などの言葉が挙げられます。
臭い飯まとめ
「臭い飯」は刑務所の受刑者が食べる食事の事であり、これから刑務所に入れられる予定なら「臭い飯を食う」「臭い飯を食べてくる」、刑務所上がりは「臭い飯を食べてきた」といった形で使用されます。また、実際に刑務所の集団生活での食事はトイレも近く臭いが気になるので「臭い飯」ともなりますが、食事その物が臭いという事ではありません。