軽躁(けいそう)
「軽躁」とは「落ち着きがなく騒がしい状態や軽はずみな行動をする事で、心の病気の視点からは精神障害の軽微な躁病」です。学校や職場で様々な性格の人と一緒に生活を送るようになると、明らかに元気過ぎる人がいて驚いた事がありませんか? 良く言えばテンションが高く活気を漲っていますが、悪く言うなら落ち着きがなくて騒がしすぎる。そんな性格や状態の人である「軽躁」についての解説となります。
軽躁の意味とは
「軽躁」の意味は以下の通りとなります。
(1)落ち着きがなく騒がしい。無分別。思慮が浅い。
(2)そわそわ。ふわふわ。気持ちや態度が落ち着かない。
(3)心の病気に属する「双極性障害」の症状である「軽躁病」の事。
「軽躁」は文字通りに「軽い躁(状態)」で、気分が著しく高揚した躁状態の軽い程度です。従って、落ち着きがなかったり騒がしい事であり、また無分別や思慮が浅いともなります。これは程度の差があるので、誰しも大なり小なりにおいて「軽躁」となる事はあり、例えばスポーツやゲームや仕事などで良い結果になれば陽気になったり興奮したりするものです。それが続くと自分に自信が溢れ人に対しても積極的になり明るく前向きな性格となるのですが、何かしらの理由で過剰に高揚した「躁状態」になると睡眠時間が短くなる・ギャンブルに夢中になる・一方的な会話を続ける・好奇心旺盛になるといった生活に悪影響を及ぼすようになります。よって、単に多少落ち着きがないや騒がしい程度なら「軽躁」という表現ですが、それを「心の病気」にすると「双極性障害」の症状として「軽躁状態」(軽躁病)という扱いになります。しかし、これも完全なる見極めが難しいところがあり、過剰な高揚である「躁病」と軽い症状の「軽躁病」は持続日数の違いや具体的な中身などで分けられますが、担当する医師の診断次第という側面もあるので、「軽躁」と「躁病」は分別が難しいのが実情です。
軽躁の由来
「軽躁」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては江戸時代中期の漢詩書「日本詩史」(1771年)などに文言が記されています。
軽躁の文章・例文
例文1.愛犬は成犬になった今でも軽躁のように元気で、そこがまた可愛い。
例文2.小さな子は誰しも軽躁で活発な姿を見せる。
例文3.いつも元気な新人は軽躁や躁状態のようにテンションが高く良いムードメーカーだったが、単にクスリを決めて出勤していた中毒者で警察に逮捕された時は職場全員が驚いた。
例文4.自分は軽躁病だと思うので、これからクリニックで医師に診てもらうつもりだ。
例文5.落ち込んだり元気になったりを繰り返す日々に疲れたので、軽躁や気分障害と認めてもらい田舎に帰って一生冴えない人生で幕を閉じたい。
「軽躁」を使った例文となります。
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軽躁の会話例
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向こうの席に座る大学生達は本当に煩いな。
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いくらファミレスだからって、少しは場を弁えるべきよね。
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本当だよ。まるで全員が軽躁な性格のように騒いで…。俺がちょっと注意をしてこようか?
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止めなさいよ。余計な事をして殴られたらどうするのよ。
ファミレスで騒ぐ大学生グループに不満を募らせる夫婦の会話です。
軽躁の類義語
「軽躁」の類義語には、「浅はか」「浮つく」「せわしない」「躁状態」「空騒ぎ」「興奮状態」「騒ぎ」などの言葉が挙げられます。
軽躁の対義語
「軽躁」の対義語には、「落ち着き」「沈重」「冷静」「プチ鬱」「鬱気分」「鬱屈」などの言葉が挙げられます。
軽躁まとめ
「軽躁」は落ち着きがなく騒がしい事です。一般的には元気であったりテンションが高い人の性格や状態として「軽躁」と表現しますが、その一方で心の病気「双極性障害」の症状として「軽躁状態」とする場合もあります。誰しも嬉しい事などで気分が高揚する事もありますが、それが日々の日常にも影響を及ぼすと「躁状態」の程度が軽い「軽躁状態」となります。