尻馬に乗る(しりうまにのる)
「尻馬に乗る」とは「人が乗る馬の尻に乗る事から、先導する人に調子良く同調したり軽はずみな行動を取る喩え」です。普通に馬に乗るのではなく本来は乗らない部分の「尻」とするのが、この諺の大事な鍵となります。尻にでも乗る調子者であり、自分の考えがないと解釈ができますよね。
尻馬に乗るの意味とは
「尻馬に乗る」の意味は以下の通りとなります。
(1)人の後から調子良く真似をしたり、軽はずみな行動をする事。
(2)他人の説に同調し、人が批判すると一緒に便乗する事。
(3)他の人が乗る馬の尻に乗る事から転じて、深い考えなどなく他人の言動に同調したり、調子に乗って軽はずみな行為に及ぶ事。
”尻馬”は「他の人が乗る馬の後ろ」「人の言動に便乗する」で、他人の言動に同調したりといった軽はずみな態度や言動などが「尻馬に乗る」です。要するにお調子者による後先考えずな行動で、最も多いのはリーダー格の人物が何かを批判したら同調して批判したり、誰かを蔑む事を言えば同じくバカにしたような物言いをする事です。よって、当人には特別な考えや思いがある訳ではなく、単にその場の勢いや流れに乗って強い者の後追いをします。ですから、馬の尻に乗るような後追いが精一杯の情けない人物を逆に見下す様に「尻馬に乗る」とも言えます。
尻馬に乗るの由来
「尻馬に乗る」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては鎌倉時代の軍記物語「平家物語」の特別版「長門本平家」(13世紀前半)などに文言が記されています。
尻馬に乗るの文章・例文
例文1.有名大学を卒業したので頭が良いはずなのに同僚はいつも尻馬に乗る事ばかりを考え、上司の顔色を窺っている情けない奴だ。
例文2.中堅から若手芸人はそれは見事に公共の電波を使って大物コンビやお笑い怪獣に胡麻を擂り続けまくる尻馬に乗るというテクニックを駆使して、年収数千万をゲットする姑息な集団だ。
例文3.尻馬に乗るような冴えない生き方をするぐらいなら、このまま埋もれて消えていく方が何倍もマシだ。
例文4.日本代表が活躍すると現役時代は不甲斐無いプレーばかりでサッカー人気の足を引っ張った引退組が解説者となってテレビに出続ける姿に、尻馬に乗るとはこの事だと実感した。
例文5.我が社は出世した全員が尻馬に乗るだけのろくでなしで、営業に行くよりも上司に媚びて1日が終わる。
「尻馬に乗る」を使った例文となります。
- [adsmiddle_left]
- [adsmiddle_right]
尻馬に乗るの会話例
-
W杯が盛り上がったね。
-
W杯じゃなくて、日本代表にでしょう? 普段はJリーグはおろか日本代表の試合だって大谷やフィギュアスケートにおされて全然報道しないのに、ドイツに勝ったら手の平返しだものね。
-
まあ、にわかファンをそんなに毛嫌いしないで。それにマスコミだけじゃなくて、日本全体が尻馬に乗っているんだから仕方がないよ。
-
でも、前回や次のW杯の開催地すら知らない人がそんなに盛り上がっても仕方がないじゃない。
サッカーw杯のにわかファンについての会話となります。
尻馬に乗るの類義語
「尻馬に乗る」の類義語には、「付和雷同」「かこつける」「人の褌で相撲を取る」「虎の威を借る」「あやかる」「威光を笠に着る」「後ろ盾」などの言葉が挙げられます。
尻馬に乗るの対義語
「尻馬に乗る」の対義語には、「初志貫徹」「独立独歩」「人は人我は我」「人は人他人は他人」「隣の芝生は青い」などの言葉が挙げられます。
尻馬に乗るまとめ
「尻馬に乗る」は自分に考えがなく、他人の言動に調子良く合わせる軽はずみな行動や言動です。まさに他人が乗っている馬の尻部分に都合良く乗る人を表し、今の流れに都合良く便乗する姿勢から「付和雷同」ともなるのが「尻馬に乗る」です。