木で鼻を括る(きではなをくくる)

「木で鼻を括る」とは「鼻水を木で拭う事から、相手に対する不愛想や失礼な態度や冷淡などの喩え」です。鼻水を出す時の表情や態度はどんな人でも決して上品とは言えず、例えばこちらが話しかけているのに無視して鼻水をかまれると面白くありませんよね。そんな事を想像させる諺が「木で鼻を括る」です。

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木で鼻を括るの意味とは

「木で鼻を括る」の意味は以下の通りとなります。
 (1)相手に対する不愛想な振る舞いや冷淡な応対の喩え。
 (2)木に鼻水を擦ると顔が不快になる事が転じて冷淡や不愛想や素っ気ない態度の事。
 (3)略した「木で鼻」や「杵で鼻つく」なども同義。
昔はティッシュなどは存在せず粗末な紙ですら高級品だったので、鼻紙として気軽に使用できなかった背景があります。ですから鼻水を拭くのに木を使っていたのは日常茶飯事でありそれ程珍しくない光景ですが、いくら昔でも流石に木で鼻水を拭うと痛みを伴うので、自然と顔はしかめっ面になりがちです。そんな表情から不機嫌や不愛想などのネガティブな感情の表れとなるのが「木で鼻を括る」です。現代でも仕事等のビジネス現場で割と使われる事が多く、実際にはそこまで不機嫌でなくても「何かあった?」といった確認のように使用される事もあります。

木で鼻を括るの由来

元々は鼻水を木で拭う動作を「木で鼻をこくる」と呼ばれていましたが、時代経過によって”こくる”が”括る”へと変化しました。一説によると江戸時代頃が発祥とされますが、残念ながらそれ以上は分かっていません。文献としては近代日本を代表する小説家・夏目漱石の著書「吾輩は猫である」などに文言が記されています。

木で鼻を括るの文章・例文

例文1.昔の友人が金をせびりに来たが木で鼻を括るように追い返したら、翌日からイタズラ電話や不幸の手紙が届き警察に相談するべきか頭を痛めている。
例文2.酒浸りな父は家族や親せき中からも嫌われ、遂には馴染みの飲み屋からも厄介客と木で鼻を括られては追い出され、それからは公園のベンチで飲むようになったがまったく気にしないハートの強さと震えた右手を持ち合わせている。
例文3.結婚の挨拶で彼女の家に初めて出向いたら、広々とした応接間には組織名が入った提灯がいくつも並び、これはマズいと冷や汗が出たら袴にサングラス姿のお父さんが登場し有無を言わさず木で鼻を括るように「いつまで居るんだ、出ていけ!」とあしらわれたら、ほっとして「ありがとうございます」と言い残して止める彼女も振り払って逃げ出した。
例文4.男として体が小さいと社会から何かと木で鼻を括られる事が多く、その悔しさがバネとなって出世や権力を手中に収めるのに意欲を燃やして躍起になるようだ。
例文5.男性教師や役所の男性担当者は傍目から実に分かりやすく、女子生徒や若い女性の場合は丁寧に対応するのに、これが男子生徒や中年男性が窓口に訪れるとあからさまな木で鼻を括るどころか全く親身にならないのだから、天下の公務員様は安定した立場を得ると歪んだ本性が表れて末恐ろしい。
「木で鼻を括る」を使った例文となります。

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木で鼻を括るの会話例

  • 質問者アイコン

    どうやら、俺だけ部下からあまり相談がされない気がして…。

  • 回答者アイコン

    それは良い事なんじゃないの?

  • 質問者アイコン

    うーん、でも俺の同期は皆後輩達から相談を受けている気がするんだよ。どうやら、俺だけウザがられていて信用ゼロなんだな。これって出世にも響くから…。

  • 回答者アイコン

    あなたはいつも不機嫌そうだから、木で鼻を括るっていうイメージが定着している所為じゃないの? もっと自分から話しかけないと最近の若い子はドライだから無理よ。

職場での若い世代とのやり取りに頭を痛める夫とフォローする妻という内容です。

木で鼻を括るの類義語

「木で鼻を括る」の類義語には「杵で鼻こすったよう」「冷遇する」「鼻であしらう」「袖にする」「冷や飯を食う」「背を向ける」などの言葉が挙げられます。

木で鼻を括るの対義語

「木で鼻を括る」の対義語には「如才ない」「愛想がいい」「人当たりがいい」「八面玲瓏」「親しみ」「愛嬌」などの言葉が挙げられます。

木で鼻を括るまとめ

鼻水を木で拭うとその表情は歪んでいたり不機嫌に見える事から、不愛想などの喩えとなるのが「木で鼻を括る」です。昔は紙が貴重だったので木を使って鼻水を拭うのは珍しくもなく、そこから同じ意味合いの「鼻であしらう」なども誕生したようです。

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