夜目遠目笠の内(よめとおめかさのうち)
「夜目遠目笠の内」とは「女性の外見は夜見たり遠くから見たり、笠の中など微かしか見えないと想像力から美しく見える喩え」です。要するにはっきりと全体像が掴めるよりも、ある程度隠れている方が逆にあれこれと想像をして良い方に感じるのです。特に男という生き物は女性への憧れから少しの情報でも妄想を膨らませるので、それを巧みに言い表しています。
夜目遠目笠の内の意味とは
「夜目遠目笠の内」の意味は以下の通りとなります。
(1)夜見る時や遠くから見る時、或いは笠を被っていると女性の容姿はより美しく見える事。
(2)女性ははっきり見えない方が美しく見える事から転じて、微かしか見えない方が人間の想像力はかき立てられ実際より美しく感じる事。
(3)「夜目遠目笠の下」も同義。
”夜目”は「夜間に物を見る」「夜に物を見る目」、”遠目”は「遠方を見る目」「遠くを見る」、”笠の内”は「笠を差した中」で、これらは全て女性の美しさを表して「夜目遠目笠の内」となります。昼間に近くから見るよりも、夜見たり遠くから見たり、又は笠を被っていて微かしか見えないと男性の想像力によって女性をより美しく感じるのです。そこから、想像力をかき立てられる喩えでも「夜目遠目笠の内」ともなりますが、女性の美しさで使うのが一般的です。しかし、場合によっては女性への嫌味や皮肉から美しくないとして用いるパターンもあります。
夜目遠目笠の内の由来
「夜目遠目笠の内」の由来は三味線を使った劇場音楽「浄瑠璃」の「山城の国畜生塚」となります。
夜目遠目笠の内の文章・例文
例文1.ハラスメント社会の現代、真顔で職場の女性陣に夜目遠目笠の内と言ったものなら大ヒンシュクで左遷や減俸される恐れがある。
例文2.空気が読めない政治家はそれこそ夜の店に繰り出し、隣に座る女性スタッフに夜目遠目笠の内と言っては大喜びしていそうだ。
例文3.夜目遠目笠の内は実に的を得ていて、何事も全体を知らない方が幸せと言う事だ。
例文4.彼女は夜目遠目笠の内とは真逆の存在で、昼間に近くからハッキリ見ると美しさが周囲よりも際立っているが、その分で性格も最悪で男はATMとしか見ていない。
例文5.マッチングアプリでは夜目遠目笠の内をまかり通っているので、実際に会うと互いに幻滅する事が多いが、それを踏まえても出会いを求める男女が多い。
「夜目遠目笠の内」を使った例文となります。
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夜目遠目笠の内の会話例
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昔は男尊女卑がまかり通っていたから、ひどい諺も残しているよね。
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例えばどんなのよ?
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それは夜目遠目笠の内なんて、夜や遠くから見た方が女性は綺麗って言っているんだよ。女性差別じゃん。
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でも、これって男も同じよね。遠くから見たらイケメンでも、近くに来たら背が低いや変なファッションばかりでしょう。お互い様よ。
男女が互いに容姿やファッションについて言い合っています。
夜目遠目笠の内の類義語
「夜目遠目笠の内」の類義語には「遠目山越し笠の内」「夜はすべての猫が灰色に見える」「夜目には牛の毛も白い」などの言葉が挙げられます。
夜目遠目笠の内まとめ
女性とははっきり見えない時が最も美しいとなるのが「夜目遠目笠の内」です。現代はなかなか解釈が難しく、素直に受け止めると女性の最も良い状態を言い表しているともなりますが、逆に言うなら昼間や近くから見ると美しさが半減している差別用語にもなります。それでも穿った見方をせず、想像力をかき立てられる事で美しさが倍増するとした方が良いのでしょう。