手弁当(てべんとう)
「手弁当」とは「自ら弁当を用意する事と自腹を切ったり無償で働く事」です。世の中の仕組みとして、働けば報酬が支払われるのは当然なのですが、場合によっては自費でボランティアに参加したり、経費などに厳しい会社だと自腹を切るケースも多々あったりしますよね。そんな事をビジネス用語として「手弁当」と表現します。要するに無償や無料といったニュアンスとなり、我慢や奉仕の心からの行動や応対になるのでしょう。
手弁当の意味とは
「手弁当」の意味は以下の通りとなります。
(1)弁当を用意して会社などに持って行く事。自家製の弁当。手作り弁当。
(2)自分で弁当を作るのが転じて、仕事やイベントなどに自費で参加したり、無償で働く行為。
(3)「手弁」「手前弁当」も同義
”手”は「人体の上肢」「”手作り”の略」、”弁当”は「外出先の食事として容器に入れて持ち運ぶ食べ物」「料理屋が出す箱に入れた食べ物」で、文字通り取れば自分で手作りした弁当が「手弁当」となります。ですから、職場や学校などに持って行く弁当を自ら作るのが「手弁当」ですが、もう一つ全く違う意味として自費でイベントなどに参加したり、無償で働く事でもあります。これには諸説ありますが、普通は仕事をしたら対価が支払われるのに一銭も貰えない事からやや皮肉として「手弁当」と言います。ですから、例えばボランティアに参加したり会社の必要経費や残業手当が出ないなども「手弁当で参加」や「手弁当は有りえない」、上司側が頼んでいるなら「手弁当で何とかならないか?」といった風になります。よって、手作り弁当と自費参加・無償労働といった2つの意味があります。
手弁当の由来
「手弁当」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては江戸時代の随筆「業要集」などに文言が記されています。
手弁当の文章・例文
例文1.転職先はなぜか社員一同が休日も手弁当で駆り出されるのに全員笑顔で、まるで集団洗脳されたカルト予備軍のようだが新入りが一人だけ反発する訳にもいかず今はじっと耐えているが精神崩壊するのも時間の問題だ。
例文2.母を早くに亡くし卵焼きだけの手弁当を持って高校に通っていた頃が懐かしく感じる五十の春。
例文3.少しでも社会貢献をしようと休日は手弁当でボランティアに参加していたが、最初は歓迎されたのに段々と仕事が遅いや効率が悪いとリーダーや他ボランティアから説教されるようになって活動を休むようになってしまった。
例文4.春になると手弁当をバッグに詰め込み気ままにブラブラするのが楽しみだが、人相が悪いのか職質を受けては手弁当の中身まで確認されるのが最大の欠点だ。
例文5.大金を稼ぐ芸能人やYouTuberが手弁当でボランティア活動をすると熱心な信者は神や尊いと絶賛するが、そのくせ低所得者や低学歴に低身長をとことん馬鹿にするのだから、この信者という生き物の神と崇める対象とそれ以外の扱いは天と地でどんな風に育てばこんな感情を持つのか不思議でならない。
「手弁当」を使った例文となります。
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手弁当の会話例
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そこまで無理してやらなくても…。
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いいえ、私の気が済まないの。
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でもそれじゃあ完全に赤字だよね。第一手弁当をしてまでやるなんて、どうかしているよ。
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分かっています。分かっていますけど、途中で切り上げるのはどうしてもプライドが許さないんです。
職場の女性が意地になって自費で仕事をやり遂げようとして、上司が止めるように促しています。
手弁当の類義語
「手弁当」の類義語には「自前」「自腹」「自費」「身銭を切る」「自弁」「持ち出し」「持ち」「懐を痛める」「自己負担」「ポケットマネー」などの言葉が挙げられます。
手弁当の対義語
「手弁当」の対義語には「私腹を肥やす」「奢り」「割り勘」「ご馳走」「身銭を切らない」などの言葉が挙げられます。
手弁当まとめ
自分で作ったり用意した食事であり、また自費で支払ったり無償で働くといった意味になるのが「手弁当」です。現在においてはビジネス用語として自腹や身銭を切る際に使われる事が多く、本来は会社が支払ったりするのに自己負担となる事を「手弁当」と表現します。