軟調(なんちょう)

「軟調」とは「株取引などにおいて下落が続く相場や上がる気配がない低調な相場を意味する投資・証券用語」です。株やFXをやっていると嫌でも「軟調」という言葉が耳に入ってきますが、投資に興味がないと「軟らかい」という意味ぐらいの認識ではないでしょうか? そして単に何かが軟らかい場合に「軟調」と表現するのは日常では相当少ないので、投資用語と言っても過言ではないでしょう。

[adstext]
[ads]

軟調の意味とは

「軟調」の意味は以下の通りとなります。
 (1)軟らかい調子。
 (2)写真の原板や印画で黒白(明暗)の対照が明確でない事。
 (3)投資・証券用語で相場が下落傾向にある事。日経平均や個別株で買い気配の勢いが乏しく緩やかに相場が下がる状況。
”軟”は「軟らかい」「穏やか」、”調”は「整う」「らぐ」「嘲る」「様子」で、堅くなくしなやかや穏やかとなるのが「軟調」です。よって、文字通りに「軟らかい調子」となる「軟調」ですが、代表的な使い方としては投資や証券用語の「下落相場」を示す表現となります。個別株や日経平均は基本的に価格が上がると儲かる「買い」で入る人が多く、また経済的な見方でも株価は上がるのが望ましいので相場が上昇するのは良しとして「堅調」、反対に売りが優勢になって相場が下落するのは「軟調」となります。よって、下落基調になると買いで入っている投資家は利益が減ったり損失が膨らむので、相場全体の悪い雰囲気を一言で表すのが「軟調」なのです。投資以外では、硬さの強度で軟らかいのを「軟調」として、例えば釣り竿や筆では「軟調」という種類があります。

軟調の由来

「軟調」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては近代日本の小説家・久生十蘭の著書「魔都」(1937年)などに文言が記されています。

軟調の文章・例文

例文1.今年の株式相場は全体的に軟調だったが、空売り主体だったので大きく儲かり常にほくほく顔を隠せなかった。
例文2.自分へのご褒美で文房具屋に高級な軟調ペンを買いに行く事にした。
例文3.経済評論家とは経済の専門家ではなく、企業から金をもらって忖度記事を発表するだけの偽作家のようなもので、だから自分で経済分析からの未来予想で投資をして大金を掴む事は全くできず、いつも終値を付けた相場に堅調や軟調だったと感想を漏らすだけの楽な仕事だ。
例文4.FXで高級外車を自慢する自称億マンな個人投資家ほど怪しい者は存在せず、相場とは変動が激しい時もあれば閑散からの少しずつ軟調で終わる時もあるのに、毎日数十万を楽に稼げると息を吐くように嘘をつく。
例文5.日本の経済や景気は一言で例えるなら軟調と言うよりも「ダダ滑り」で、何が起こってももう景気回復は有りえないと断言できる。
「軟調」を使った例文となります。

  • [adsmiddle_left]
  • [adsmiddle_right]

軟調の会話例

  • 質問者アイコン

    あー、やられた。前場は軟調すぎるんだよ。でも、おかしいよなー。

  • 回答者アイコン

    ダウやナスダックが前日も堅調に推移したら、日経平均も続くと思いますよね?

  • 質問者アイコン

    だよなー。普通はそうなのに、日経はあまり連動しないで弱気からの売りに傾き、俺のようなデイトレーダーが養分にされる…。

  • 回答者アイコン

    取り敢えず後場は静観にして、今日は取引終えたらどうですか? 私も今日は終わりにします。

個人投資家の2人が前場終了後に感想を言い合っています。

軟調の類義語

「軟調」の類義語は投資用語では「下げ」「下落」「急落」「閑散」「弱気」「ベア(熊)」、投資以外では「軟弱」「マイルド」「ソフト」「ふにゃふにゃ」「穏便」などの言葉が挙げられます。

軟調の対義語

「軟調」の対義語は投資用語では「堅調」「上げ」「上昇」「急騰」「強気」「繁忙」「ブル(雄牛)」、投資以外では「強行」「順調」「手堅い」「地道」「堅い」などの言葉が挙げられます。

軟調まとめ

軟らかいといった意味の「軟調」ですが、一般的には投資用語として相場に勢いがなく下げ傾向であったり、1日を通して下落相場となる際に使う表現です。ですから「上げ相場」や「堅調」の反対となり、利益が出なかったり上がると予想できない難しい相場で使います。投資以外の使い方もありますが、軟らかいのを敢えて「軟調」とするのは稀でどうしても下落相場の代表的な表現になっています。

言葉の手帳ロゴ

この記事が参考になったら
『いいね』をお願いします!

Checkmateのサービスを紹介する広告です。
この記事を読んでいる人に人気の記事