三重苦(さんじゅうく)
「三重苦」とは「一つの苦しみでも辛いのに、同時に三つの問題が起こり相当辛い状況に陥った喩え」です。問題が一つだけなら対処が可能でも、それが同時に三つも起これば頭は混乱しどうすれば良いのか分からなくなってしまいますよね。そんなどうしようもない状況を自嘲したり、陥った相手を指摘するのが「三重苦」です。
三重苦の意味とは
「三重苦」の意味は以下の通りとなります。
(1)三つの苦しみが重なる事。三つの不利な問題や条件が起こる事。
(2)三つの苦しみから大変な苦労や辛い状況などの喩え。
(3)肉体的な障害である目が見えない「盲」、耳が聞こえない「聾」、言葉を発せられない「唖」の状態を指す。
「三重苦」は”三重”の”苦しみ”から「苦しい出来事が三つ起こっている状態」で、一つの苦労でも大変なのにそれが三つも重なるように起こっているとなります。要はそれぐらいの大変な状況に陥って、思わず吐いてしまう弱音やボヤキといった言葉ではないでしょうか。本来は障害である目が見えない「盲」の「視覚障害」、耳が聞こえない「聾」の「聴覚障害」、言葉を発せられない「唖」の「言語障害」の三つを「三重苦」としていたのですが、現代においては偏見や差別等々の社会問題の観点から使うのは好まれず、例えば仕事や家庭生活などでトラブルが続出したり、自分のコンプレックスなどを「三重苦」と表現する際に使うのが一般的です。
三重苦の由来
「三重苦」の由来は残念ながら不明です。諸説あるようですが、仏教用語「四苦八苦」から派生して誕生したと言われていますが、詳しいところは分かっていません。また「三重苦」が使われるようになってから、今度は「二重苦」が編み出されたようですが、これも同様に詳しいところは分かりません。
三重苦の文章・例文
例文1.こっちは生きるだけで三重苦な毎日なのに、秘書官はワイン片手にパーティー三昧で貯金がどんどん貯まり、どんなにヘマをして雑誌に暴露されてもパパと支持者は笑顔で許してマスコミが悪いと庇うのだから、こんな世の中に腹立たしくなる。
例文2.酒とタバコにワクチンが体に強烈なダメージを与えて、今やどんなに睡眠を取っても慢性的な疲れが取れず肺は真っ黒で手が震え、こんな三重苦の中でどうやって希望を持って生きろというのだろう。
例文3.昔は高齢者が会場に集められ霊感商法的な詐欺に遭っていたが、今は無知な若者が暗号資産など投資の甘い誘惑に騙されるそうで、そんな人達は借金返済で本業以外にバイトをしたり親から借りたり消費者金融に手を出すそうだが、これは三重苦というよりも自業自得と思えてしまう。
例文4.サッカー界では、走らない・体力がない・守備をしないという三重苦でも圧倒的なテクニックさえあれば世界を興奮させる名選手になれる可能性がある。
例文5.チビ・ハゲ・デブという三重苦なのにあいつはグラストンベリー・フェスで、オルタナの元祖として圧倒的なパフォーマンスで観客を大興奮させ、伝説の存在になったと評価されている。
「三重苦」を使った例文となります。
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三重苦の会話例
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あ…、あ…、頭が痛い。
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いつも頭痛で苦しんでいない。大丈夫?
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仕事のストレスなのか、帰宅する頃になるといつも片頭痛が襲ってくるんだよね。メタボ・薄給そして、頭痛持ちなんて最悪の三重苦だよ。
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他にも老け顔・猫背・陰気臭いがあるから六重苦じゃない。まあ、明るく元気を出しなよ。
欠点だらけの自分を卑下したら、さらに厳しく突っ込まれるという会話内容です。
三重苦の類義語
「三重苦」の類義語には「四苦八苦」「二重苦」「四重苦」「ダブルパンチ」「弱り目に祟り目」「泣きっ面に蜂」「踏んだり蹴ったり」「苦労が絶えない」などの言葉が挙げられます。
三重苦の対義語
「三重苦」の対義語はありません。補足として良いことが起こるのは「一石二鳥」「一挙両得」「一網打尽」「二重の効果」「良い事だらけ」「順風満帆」などがあります。
三重苦まとめ
三つの苦しみが重なる状態が「三重苦」です。実際には喩え表現として多少の辛いことをオーバーに「三重苦」としたり、或いは卑下や無理やり三つの欠点をあげて「三重苦」とする形が多くなります。類似の言葉には少なくした「二重苦」、より苦しみを多くした「四重苦」「五重苦」といった形もありますが、それ以上は流石に相当稀となります。