劇伴(げきばん)
「劇伴」とは「テレビドラマや映画などの様々なシーンで流れる内容に合わせた背景的な音楽」です。例えば情報番組やバラエティでも耳を澄ますと、様々な音楽が流れている事に気が付きます。そこに出演者の声や観客の笑い声、そして効果音なども加味されるので、実は番組とは様々な効果音や音楽が合わさって完成しているのです。ドラマや映画などはさらに顕著で、海の映像だとしても波の音はスタジオで追加した環境音ですし、その背景で流れる心地よい音楽も後から付け足した「劇伴」となるのです。
劇伴の意味とは
「劇伴」の意味は以下の通りとなります。
(1)テレビドラマや映画やアニメに演劇などで流される場面に合わせた音楽。
(2)ドラマや映画の作中でのシーンに応じて流す音楽で、通常は歌詞のないインストゥルメンタルが多い。
(3)「げきはん」とも読み、「BGM」や「サウンドラック」もほぼ同義。
「劇伴」はテレビドラマや映画にアニメなどにおいて作品の映像シーンで流れる音楽の事です。通常はその場面に合った音楽となり、また役者の演技やセリフを邪魔しないように控えめな音量になったり、邪魔をしないように歌であるボーカル無しのインストゥルメンタルを流す事が多いですが、これも明確な定義やルールはないので、逆に敢えてボーカル曲や人気のポップミュージックにする事もあります。また、ホラーやサスペンス系なら恐怖シーンでは効果的な「劇伴」が大音量となる事も多いです。さらに踏み込むと、相当の音楽ファンでもないかぎり、ドラマなどのワンシーンで数十秒ぐらい控え目なボリュームでかかる音楽などは気にもしないものですが、大抵はクラシック・ジャズ・エレクトロニックの有名な定番曲か、或いは「劇伴作曲家」が作ったその作品に合わせたオリジナル曲となります。
劇伴の由来
「劇伴」の由来は残念ながら不明です。日本の映像作品の歴史を振り返ると、1896年11月に初めて音声のない(外国作品の)サイレント映画(無声映画)が上映され、1899年に歌舞伎を収めた「紅葉狩」が日本初の映画となります。その後、1927年にアメリカ映画「ジャズ・シンガー」で音声が導入され、日本では1931年に松竹の「マダムと女房」が初の映像と音声が同期した作品になります。ですから、「劇伴」とはこのような経緯を得て誕生したと推測できますが、いつ頃から呼ばれ始めたかは定かではありません。
劇伴の文章・例文
例文1.退屈なドラマほど、劇伴の音楽がヤケに凝っていたりするから困ったものだ。
例文2.70年代から80年代の電子ミュージック好きとしては、思わぬドラマや映画の中で明らかに劇伴作曲家によってパクられたフレーズが突如流れてきて、著作権の問題はどうなのか心配してしまう。
例文3.昔はバンドで成功する事を夢見ていたが諦め、今は劇伴作曲家として一旗揚げる事を目標にしている。
例文4.巷で話題なあのドラマの劇伴が気に入ったので、サウンドトラックを購入する事にした。
例文5.重要な場面である階段から突き落とすシーンで突如陽気な劇伴が流れて、逆に新鮮だと思ってしまった。
「劇伴」を使った例文となります。
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劇伴の会話例
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今日の放送は感慨深かったなー。もう、今から来週が楽しみだよ。
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本当よね。あんな終わり方をしたら、次回がどうなるか気になって仕方がないじゃない。
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だね。やっぱ、ドラマは日曜劇場に限る。それにドラマで流れる音楽も印象的で、作品の魅力が倍増するね。
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劇伴の事ね。私もそれ思っていた。あれってオリジナルの曲よね。サントラで発売しないかしら。
ドラマ好きの2人が日曜劇場を絶賛するという内容です。
劇伴の類義語
「劇伴」の類義語には「映画音楽」「挿入歌」「サントラ」「OST(original soundtrack)」「背景音楽」「バックグラウンドミュージック」「劇中歌」「アニメサウンドトラック」などの言葉が挙げられます。
劇伴の対義語
「劇伴」の対義語は厳密にはありません。しかし、強いて挙げるなら「劇伴」の多くはボーカルがないインスト曲となるので対義語は「声楽曲」、又は「劇伴」を「BGM」とするなら「主題歌」が対義語になります。
劇伴まとめ
テレビドラマや映画などのあるシーンで背景のようにあまり主張をしない音楽が「劇伴」です。要するに背景で流れる「BGM」が「劇伴」で、その作品に合わせたオリジナル曲から有名アーティストの曲を使用するなど色々なパターンがあります。