永訣(えいけつ)
「永訣」とは「亡くなった人と会うのが永遠に不可能な死別」です。人生は生き死にが常に隣り合わせで、子供の頃は祖父母、成長すると両親、そして自分が老いてくると今度は子供や孫と別れを迎える事になります。悲しいですが現実で、だからこそ命は尊いのでしょう。それでは「大切な人が亡くなってしまい永遠の別れ」となる「永訣」の解説となります。
永訣の意味とは
「永訣」の意味は以下の通りとなります。
(1)永遠や永久の別れ。死別。永別。
(2)永の別れ。親しい人が亡くなり二度と会えなくなる事。
”永”は「長い」「永遠」「永久」「いつまでも」、”訣”は「別れる」「人との別れ」「別れの挨拶」で、永遠の別れでその人と二度と会えないのが「永訣」です。比喩的表現で使う場合もありますが、基本的には永遠に会えないのは相手が死んでしまっているので「死別」の異なる言い方となります。よって、日常的に使う言葉ではありませんが、例えば葬儀の場であったり親しい人が亡くなったと連絡を頂いた時などに用いられます。また、近代日本を代表する詩人である宮沢賢治の詩に「永訣の朝」があり、そこから認知度はかなり高いところがあります。そして一説によると宮沢賢治は仏教信仰が強かったので、仏教的な観点から「永訣」が用いられたようです。
永訣の由来
「永訣」はそもそも仏教用語とされ、意味は同じく死別による「永遠の別れ」となります。文献としては江戸時代中期の漢詩文集「随得集」などに文言が記されています。
永訣の文章・例文
例文1.自宅に引きこもり状態だったので、両親との永訣は言葉では言い表せないほどのショックで遂に頼れる人がこの世に一人もいなくなった。
例文2.人は必ず最後に永訣するのは分かっているが、それでも戦争を起こしたりSNSで誹謗中傷を繰り返すなど邪心から好き勝手をやり尽くす。
例文3.愛犬と愛猫に愛妻と立て続けに永訣する事になり、まるで誰かがデスノートでも使っているのではと疑いたいが、これを主張したら監獄的な施設に閉じ込められしまう。
例文4.連絡を受け急いで病院に向かったが一歩遅くて間に合わず、これで永訣になったとはどうしても信じられない。
例文5.永訣の朝という宮沢賢治の詩に深く感銘を受けた。
「永訣」を使った例文となります。
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永訣の会話例
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人は誰しも亡くなるとは言うけど…、まだ若すぎるよな。
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本人はまだこれからだと思っていたはずですよ。でも、闘病生活も苦しかったはずだから、不謹慎だけどこれで永訣になってゆっくり休んでもらうのも…。
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そうだよな。でも…。
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うん、分かったから、それ以上言うと涙が溢れて…。
親しい人が亡くなり途方に暮れる2人という内容です。
永訣の類義語
「永訣」の類義語には「永別」「死別」「弔い」「忌服」「弔意」「追悼」などの言葉が挙げられます。
永訣の対義語
「永訣」の対義語には「生別」「生別離」「別離」「離別」「決別」「泣き別れ」などの言葉が挙げられます。
永訣まとめ
親しい人などとの永遠の別れが「永訣」です。二度と再会出来ない事から死別として「永別」を用いるのが一般的で、悲しい気持ちを表現した言葉となります。対義語は生きている相手との離れ離れになる別れから「生別」や「別離」です。