士魂(しこん)
「士魂」とは「高い武術と強い精神力を兼ね備えた武士の魂」です。武士の魂である「士魂」は現代の方がすんなりと受け止められる人が多いのではないでしょうか? 昔なら日本刀を振り回す荒くれ者でも、時代が経過する事によってどこか古き良き日本を代表する伝統武道の達人といったイメージが定着をして、普段は根性論など無縁な現代人でもふとした時に「気合」や「魂」を口にするのですから、DNAではきっちりと受け継がれているようです。
士魂の意味とは
「士魂」の意味は以下の通りとなります。
(1)武士の魂。武士の精神。
(2)侍や武士にとって自分の命を守り相手を斬る日本刀はとても大切なもので、そこから男気的な精神が宿るとして「武士の魂」や「武士魂」を略した言葉。また、日本刀以外でも武士の気合や気持ちが入っている全般で用いる表現。
「士魂」は「武士の魂」や「武士の精神」という意味ですが、現代においては簡潔すぎて逆に正しい意味が分かり難いところがあります。何をもって「武士の魂」とするのか難しく昔なら「日本刀」=「武士の魂」ですが、そもそも武士が存在しないこの世の中においては漫画やドラマなどの作られた世界のみで通用する表現となりつつあります。一方、多少強引ですがテストやスポーツなどの大事な場面での気合や活を入れる際などに、かつて活躍した武士に肖るように「士魂を注入」「士魂を纏う」「士魂に縋る」といった使われ方もあります。また補足として、新1万円札の額面を飾る事になった江戸時代から明治時代に活躍をした実業家・渋沢栄一が理念として掲げた言葉「士魂商才」としても有名で、意味は武士の精神と商人の才能を併せ持つとなります。
士魂の由来
「士魂」の由来は古代から続く日本刀や刀を大事にする伝統文化からとされています。「日本神話」によると三種の神器でも天叢雲剣が登場するように、刀は武器でありながらも神を象徴する特別なものだったことから、その精神がその後の様々な時代でも受け継がれて、特に武士や侍においては日本刀を武器でありつつ魂が宿るとして重宝し何よりも大切にしていたようです。
士魂の文章・例文
例文1.今日はバカみたいにオンライン対戦ゲームが調子良いのは、先日先祖が眠る墓参りをして士魂が自分に宿ったからではと思っている。
例文2.戦後の腰抜け外交を繰り返してきた歴代総理や大臣を見ていると、いくら侍ジャパンと言ってもそんな時代遅れな士魂などは一掴みほども残っておらず、アメリカ様や中国様の怒りを買わないように土下座をして謙るかがカギとなっている。
例文3.金の奴隷になり後ろめたい生き方をしているブラック企業のオーナーほど、士魂や人魂や日本魂など魂にこだわったり、息子に龍や虎などの名前を付けては絆や仲間や思いやりなどを煩いぐらい口にする。
例文4.剣道歴30年以上の父は精神や士魂といった気持ちの強さを大事にして、日本という国に生まれた有難さや人に迷惑をかけないマナーなどを日ごろから説教のように口にするが、そのくせ酒癖が悪くホステスにも煙たがられている事実は一向に気にしない。
例文5.お客が出した車検の車をパンクさせるなど抜け目なく悪だくみをするのが、この自動車販売会社の士魂商才なやり方である。
「士魂」を使った例文となります。
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士魂の会話例
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ちょっと体調が悪いから、今日は早退できますか?
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本当に調子悪いの? それなら別に構わないけど、この忙しい時に一人抜けるとどれだけ大変か…。そういえば滋賀県出身よね、少しは士魂を見せて頑張れないの?
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それが頭が割れそうなほど痛くて…。もう頑張れる気合が…。
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分かった。まあ別にいいと思うけど、私じゃなくて課長に声をかけてよ。
職場にて体調不良から早退を申し出たという内容です。
士魂の類義語
「士魂」の類義語には「闘志」「活力」「パワー」「侍魂」「士道」「入魂」「志心」「心魂」などの言葉が挙げられます。
士魂の対義語
「士魂」の対義語はありません。補足として「武士」の対義語は「農民」「町人」、「魂」の対義語は「体」「身体」「魄」などになります。
士魂まとめ
「武士の精神」や「武士の魂」として、現代において武士のような心や魂を併せ持つ意味となるのが「士魂」です。武士とはどこか孤高の存在で忠誠心が強いといったイメージがあり、そこから日本人らしさや力強さや気合めいた表現でも「士魂」が使われるようです。