進歩(しんぽ)

「進歩」とは「前進する事から、物事がより良い方向に進み高みを目指す事」です。子供の頃は出来なかった様々な事が大人になると容易になるので、これは一つの「進歩」であるのは事実ですが、逆に子供の頃は出来たのに大人になると全く出来なくなる事もありますよね。これは「退化」のはずですが、社会とは大人が作ったルールが絶対なので、子供時代は可能だった何かが不可能になるのも強引に「進歩」として前向きにとらえる実に理不尽なものです。

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進歩の意味とは

「進歩」の意味は以下の通りとなります。
 (1)物事が次第に良い方向や望ましい方向に進んでいく事。
 (2)前に向かって歩を進める。前進。
 (3)以前よりも勢いや状態が良くなる。
 (4)価値的により良く、より完全な状態へと進む漸進的な向上。
”進”は「前に進む」「等級や段階が上がる」「差し上げる」、”歩”は「歩く」「物事の進み」「足を運ぶ」「足で進む」で、実際に歩いて進むだけでなくあらゆる物事でも良い方向に進んでいくのが「進歩」です。学生時代の反抗期を卒業して大人になって精神が安定したり、学業や仕事のレベルが上達する、新しい技術が発明されるなどが代表的な「進歩」で、要はポジティブな変化で用いる大変便利な表現となっています。例えば経済が発展すると様々な製品なども著しく向上するので、そんな様を「技術の進歩が景気に貢献した」となります。また、時代や文化といった漠然とした大きなものも、基本的には先進国なら常に発展をしているという前提があるので、「大いなる進歩を果たした結果で現在がある」として、昔の方が良かったと後ろ向きは許さないところも感じられます。本来なら「進歩したか否か」は時代を生きる当事者ではなく次世代が客観的に判断するべきなのでしょうが、「確実に進歩している」と認めないと現代のシステムが崩壊するような危うさもあります。現状維持は退化となり、常に「もっと良く」を求めた結果が温暖化などの弊害でも、「進歩」という名の経済発展を遂げるレースに乗り続けるのがこの世界の運命なようです。

進歩の由来

「進歩」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては鎌倉時代初期の禅僧・道元の仏教思想書「正法眼蔵」などに文言が記されています。

進歩の文章・例文

例文1.世界は物凄いスピードで経済レベルが進歩しているが、それは不平等という絶対条件の元で成り立っている。
例文2.父親と教師から毎日「少しは進歩しろ」と注意されるが、自分達も進歩しないどころか退化している事には気が付かない。
例文3.医学は昔と比べて確実に進歩したと思っていたが、コロナ禍になってそれは幻想で医療団体も所詮は自分たちの懐を最優先にした金満体質で中身は田舎のホストクラブと同等である。
例文4.どんなにスマホやパソコンの性能が進歩してもやる事は動画視聴やSNSぐらいで、たったその目的に最高級品を購入し液晶画面が繊細で美しいと喜ぶが、その画面に映るのは整形を繰り返し誹謗中傷を書き込みすぎて恐ろしいモンスターに変身した自分自身である。
例文5.上司に怒られた鬱憤晴らしからビールグラスを手に取り、飲みすぎと注意される妻の冷めた顔にイラっとして余計にビールを煽り、リモートカメラに監視されたリビングではどれだけ飲んでも酔いは今一つでこんな生活をあと何年続けるのかと考えると、光回線のケーブルから直接アルコールが溢れ出る画期的な発明でもない限り、アル中社会では進歩を遂げたとは言えないはずだ。
「進歩」を使った例文となります。

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進歩の会話例

  • 質問者アイコン

    久しぶりー。それにしてもお互いに年を取ったなー。

  • 回答者アイコン

    それが数年ぶりに再会した同期に言う言葉! それに私は最新のエステに通い、高価な美顔器も使っているから美容的には進歩しているはずよ。

  • 質問者アイコン

    いやー、どんなに顔を綺麗にしても体の中身は無理だって。俺なんて体が硬くなって、あちこちに違和感ありまくりだよ。

  • 回答者アイコン

    まあ確かにそこは認めるけど…。ちょっと、久しぶりなんだからそんな落ち込む事ばかり言わないでよ。

会社の同期である中年同士が久しぶりに会って愚痴を言い合う会話です。

進歩の類義語

「進歩」の類義語には「発展」「発達」「進捗」「増進」「上達」「向上」「上進」などの言葉が挙げられます。

進歩の対義語

「進歩」の対義語には「退歩」「退化」「衰退」「低下」「墜落」などの言葉が挙げられます。

進歩まとめ

物事がより良い方に進み発展や発達といった明らかな変化を遂げるのが「進歩」です。人としての個人レベルから企業や産業技術の向上など、様々な物事がより良くなって進んでいく事です。よって、現在地からもっと便利であったり高い技術を習得した場所に進むのを目標として、努力という「進歩」をし続けていくしかありません。

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