独尊(どくそん)
「独尊」とは「自分は誰よりも優れて尊い存在という自惚れで、天上天下唯我独尊を略した仏教用語」です。人は偉くなるから自惚れるのか、それとも自惚れている人が偉くなるのか分かりませんが、これから何が起こっても「独尊タイプ」が消えてなくなる事はないでしょう。それは人は個性という違いがありながらも矛盾する者同士が共存生活を送らなければならず、そこに資本主義という多くの金を持つ方が有利というルールがある以上は、「独尊者」が常に誕生するシステムになっているからです。
独尊の意味とは
「独尊」の意味は以下の通りとなります。
(1)この世界に自分よりも偉い者はいない事。自分は誰よりも優れていて尊い存在である事。
(2)仏教用語「天上天下唯我独尊」の略語で、この世に自分よりも偉い者はいないという自惚れの言葉。
(3)現代的に解釈すれば自己中心的やエリート意識のプライドが高い奢りで、他人の気持ちなど考えずに自分だけが絶対的な存在とする偏った考えに固執する事。
「独尊」は仏教用語の「天上天下唯我独尊」または省略した「唯我独尊」の略語で、この世界で自分がいちばん偉いという自己中心的な自惚れという意味になります。元々は仏教の開祖とされる偉大な人物である釈迦の誕生に合わせて出来た言葉とされ、「天上天下」は人間界の上と下にある特別な世界から「全世界や宇宙全体」、「唯我」は「自分だけ」「自分一人」、「独尊」は「自分だけ尊い」、そこから「この広い世界で自分だけが偉い特別な人間」となります。よって現代風に解釈をすれば「自己中心的」や「エリート意識」として、自分は誰よりも優れて偉いという強い自惚れが「独尊」です。さらに深堀りすると、厳密には「自惚れ」という意味や解釈は仏教ではされておらず、「独尊」や「天上天下唯我独尊」が日本では暴走族やヤンキー漫画などであまりにも有名な言葉となってしまい、そこから一人歩きをするように「自惚れ」と後付けで拡大解釈をされ定着していきました。ですから、仏教としては能力ある者が奢りからの「独尊」なのですが、現代は能力が普通や無い者もプライド高さだけは人一倍であったり少しばかりの能力高さで「自惚れ」からの「独尊」とも理解できます。
独尊の由来
「独尊」の由来は上記の通り釈迦が生まれた時の伝説から作られた言葉とされ、それによると生まれたばかりの釈迦は7歩歩き、片手を天に向けもう片方を地に向けて「天上天下唯我独尊」と唱えたと伝えられています。
独尊の文章・例文
例文1.この国は政治家や芸能人にYouTuberに至るまで右を向いても左を向いても独尊だらけで、世間を騒がす出来事が起こればお意見番気取りで退屈な極論を振りかざすのはやめて欲しい。
例文2.官僚などは天上天下唯我独尊の仮面を被った者しか存在しないと言っても過言ではなく、これだけ物価高や豪雨被害に遭おうとも庶民への増税を緩める気配はまったくなく、血税を強奪してこそ一人前と思い込んでいる。
例文3.有名人が命を落とすと、普段は庶民をバカにして大企業を徹底的にこき下ろし再生回数を稼ぐ事に執念を燃やす中年男がありふれた正論を急に語り出し、その二枚舌こそ己を特別な独尊と思いあがっている証明であり追随する信者も命の重みを説くなら、ホームレスや豪雨被害に遭った人々など日本中の弱者にも救いの手を差し出せと言いたいが、彼らはネット上でのみ正義の世界を目指しリアルで目の前で転倒した人には唾を吐きつけるならず者だ。
例文4.プーチンやトランプに北の独裁者が同時代を生きているのはある意味奇跡で、強欲で独尊な3人が暗殺もされずにのうのうと生きていられるのには釈迦やケネディも草葉の陰でビックリしているだろう。
例文5.ヤンキーや不良の唯我独尊とはバイクを走り回したり万引きに喧嘩をするぐらいな小さな事に満足して自分が優れて特別だと思っているのだから、それはいつまでも一党独裁と景気低迷が続き世界常識から遅れていくのは仕方がない。
「独尊」を使った例文となります。
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独尊の会話例
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きっと、また課長から怒られるよ。最悪な気分だ。
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最近はターゲットにされているよね。ミスしたら真っ先に怒られるから。
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あの人、万年課長なのに絶対独尊タイプだよな。自分は仕事ができるから、俺みたいなバカな男の気持ちは理解できないんだよ。
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そうだ。不倫の決定的瞬間とか何か弱みを握れば、これからは注意されなくなるんじゃない? もしかしたら横領とかしているかも知れないし、ちょっと探ってみなさいよ。
職場にて怪しい密談を繰り広げる2人の会話内容です。
独尊の類義語
「独尊」の類義語には「優越感」「自己中心主義」「エゴ」「我がまま」「プライド」「誇り」「坎井之蛙」「夜郎自大」「用管窺天」などの言葉が挙げられます。
独尊の対義語
「独尊」の対義語は厳密にはありませんが、強いて挙げるなら「利他的」「文化相対主義」「卑下」「自虐」「卑屈」「謙虚」「遠慮」「低姿勢」などがあります。
独尊まとめ
自分は誰よりも優れているという高いプライドが「独尊」です。仏教の有名な言葉「天上天下唯我独尊」を略したもので、実は正確には正しい意味が分かっていないという説もありますが、少なくても日本においては行き過ぎたエリート意識であり、またそんな自惚れた性格な人に対して用いる表現です。